『死役所』『スカイハイ』あなたならどうする?漫画・アニメで描かれる「死後の選択」…胸糞悪いエピソードもの画像
『死役所』『スカイハイ』あなたならどうする?漫画・アニメで描かれる「死後の選択」…胸糞悪いエピソードもの画像

 2023年1月期に放送された、バカリズム脚本、安藤サクラ主演の日曜ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)。交通事故により33歳で亡くなってしまった主人公が、死後の世界の受付係に来世は南米のオオアリクイになると告げられ、再び人間に生まれ変わるために徳を積もうと人生をやり直す物語だ。

 何周も人生をやり直し、そのたびにいろいろな人間関係や将来が変わっていくという予想のできない面白さが話題を集めた同作。死んだ主人公が何度も人生をやり直す、いわゆるループものにあたる作品だが、この他にも漫画やアニメでは、人間が死んだ後の世界を舞台にした作品が多く生まれてきた。

 あなたなら死んだ後のことならもうどうでもいいと考えるだろうか? 今回は、登場人物たちの「死後の選択」が描かれた作品を紹介したい。

 まずは2019年に松岡昌宏主演でテレビドラマ化された、あずみきし氏による漫画『死役所』。同作が描くのは、死んだ人たちが自分の死の手続きをするために訪れる市役所ならぬ「死役所」で、さまざまな理由で死んだ人たちが「自分の人生はなんだったのか」を考えるというストーリーだ。

 49日以内に成仏しなければ暗闇を永久にさまよう「冥途の道」行きになってしまうため、死役所の職員たちもさまざまなサポートをしてくれる。

 各話のキャラたちの死因はさまざま。だが、実は本人と周りの人が同じ物事に対して全く違う捉え方をしているということに、死後気づく、というのが同作のメインの構造で、たとえば第2話「命にかえても」では、若い女性が社長を守って事故死したところから話が始まるが、実はその事故は他の従業員たちが社長を殺そうとしてわざと起こしたものだった。人間とは、普段から自分の視点でしか物事を見ていないことに気づかされる作品である。

 またつい死者たちに感情移入してしまうが、死役所の職員たちの過去にも迫っており、一概に「良い」「悪い」で判断できないところが作品の面白さに深みを増している。

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