■プロスペラとスレッタの親子関係の謎
前述したようにプロスペラとスレッタが親子であるのは確かと言えそうだが、実はスレッタが“本物の”プロスペラの娘かどうかはいまだ疑わしいところ。
ひと目見てわかる通り、スレッタの特徴的な眉、顔つきは明らかに父親似。しかし、プロスペラの夫・ナディムは21年前のヴァナディース事変で亡くなっており、17歳のスレッタがナディムの血を引いているという点がおかしくなってしまう。とすれば……ということから推察されているのが、スレッタ=エリクトのクローン説。プロスペラの言動を振り返ると、彼女の愛情はエアリアル=エリクトに向けられているようで、スレッタには(彼女の視点ではあくまで優しいお母さんだが)嘘で塗り固めた母親の顔を見せる。この違和感からも、スレッタはエアリアルを動かすため、ベネリットグループに復讐するためだけに造り出した道具(クローン)ではないか、という仮説が立てられている。
このクローン説はSeason2のエンディングが公開されてから一層信憑性が高まったと言えるだろう。オープニング、エンディングの映像には往々にしてストーリーのヒントが散りばめられているものだが、ここで複数人ものスレッタが現れることから、「全員エリクトのクローンではないか」「ガンビットの中にはエリクトのクローンがいるのではないか」という声が挙がっている。また、この大勢のスレッタの中にはもしかしたら本物のエリクトが混ざっている可能性もあるが、スレッタがエリクトのクローンであれば見分けが付かないのも当然だろう。
『水星の魔女』におけるガンダムは「呪われたモビルスーツ」。その存在通りガンダムを中心に物語は不穏すぎる展開に突き進みだし、毎話の放送後には視聴者から悲鳴が挙がっている。この先にはどのような答えと結末が待っているのか、今後の行方を見守っていきたい。