2023年春クールでのアニメラインナップは50作品以上。『地獄楽』や『天国大魔境』『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』など注目作がずらりと並び、ガンダム最新作の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2もその一角として存在感を放っている。女性主人公、学園舞台のポップな作風が若年層、女性層を取り込み人気を集めているが、やはり「ガンダム」は「ガンダム」。物語は徐々にハードな展開を濃くしていき、Season1最終話では「やめなさい!」の衝撃がSNSなどネット界隈を騒がせた。そして4月16日に放送された第14話でも、スレッタ、エアリアルにまつわる視聴者を愕然とさせる新事実が発覚。本稿ではこのスレッタとエアリアルについて、視聴者の間で交わされる噂を紹介していきたい。
※以下には、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■主人公スレッタの正体についての謎
遠い水星からエアリアルとともにアスティカシア高等専門学園に編入してきた少女スレッタ・マーキュリー。彼女が本作の主人公だが、そもそもスレッタは放送開始直後から視聴者の間でさまざまな憶測が飛び交うキャラクターだった。本作放送前には前日譚となるエピソード「PROLOGUE」が配信されており、そこではエルノラ・サマヤ(=プロスペラ・マーキュリー。スレッタの母)が愛娘のエリクトを連れてドミニコスの襲撃から逃げ延びている。この事件はのちにヴァナディース事変と呼ばれるようになり、エルノラが逃げ延びた先が水星であることが公式サイトで公開された小説『ゆりかごの星』で明かされている。
このことからまずネットで上がったのが、「スレッタは成長したエリクトなのか、それとも別人なのか」という彼女の正体についての話題。
スレッタは現在17歳。ヴァナディース事変は21年前なので年齢が合わないというのは作中でも触れられ、ひとまずエリクト=スレッタの同一人物説は打ち消された。その後、公式の相関図でもプロスペラとスレッタは親子であると明記されたが、依然、エリクトの所在は不明なままとなっていた。当時4歳だったエリクトは今どこにいるのか? その衝撃アンサーとなったのが第14話でソフィがエアリアルに見たエリクトの姿と、プロスペラによる「いるわよ。スレッタのすぐそばに」「あの子は新しい体を手に入れた」というセリフだった。
実はネットではエリクト=エアリアル説が早くから囁かれており、その根拠として、プロスペラが以前からスレッタとエアリアルを指して「娘たち」と呼ぶこと。第6話でエラン(強化人士4号)がガンビットにエリクトらしき幼子の姿を見ていることなどが挙げられていた。また、「PROLOGUE」で登場したエアリアルの前身機体ルブリスのOSは「SYS Ver.2.0」だが、エアリアルのOSは「SYS Ver.E.S」となっており、これはエアリアルの中にエリクト・サマヤがいることを示唆しているのではないか、という予想にもつながっていた。
どうやらこの考察は当たっていたと言えそうだが、エリクトがどのような形でエアリアルと一体になっているのかは現段階では謎のまま。
思い返せば『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ではアイン・ダルトンが死後、脳を生体ユニットに使われたが、まさかエリクトの身にも同じことが起きているのか。それともエアリアルをゆりかごにするように、生身の体ごと機体に組み込んでいるのか。作中で描かれるGUND医療は生体と機械を融合させるような技術であり、この可能性も十分にありそうではある。
ネットではその他にも、スレッタが11基のガンビットを「みんな」と呼ぶことから、エアリアルとガンビットに意識体として植えつけられているのではないか、という考察も上がっている。この辺りの答え合わせは物語の進行を待つしかない状態だが、プロスペラがどういう経緯でエリクトをエアリアルに移したのかも気になるところだ。