“カニ”のシエに“ブタ”のギョウコも…『北斗の拳』修羅の国に登場した“残念すぎる敵キャラ”3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

 原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による名作『北斗の拳』に登場する「修羅の国」では、さまざまな修羅たちが民衆を恐怖に陥れていた。12歳から15歳までの間に100回にも及ぶ凄惨な死闘を潜り抜けてきたものだけが“修羅”(男子の生存率1%)となれるため、性格的にも残虐かつ残念な者も多い。そこで、修羅の国に登場した“残念過ぎる敵キャラ”を3人振り返りたい。

■“カニ料理”を献上しに来たわけじゃない! 気持ち悪さ全開のシエ

 まずは、羅将・ハンとケンシロウの対決後に現れたカニのような容貌をしたシエだ。砂に潜ってケンシロウを待ち伏せていたのだが、いとも簡単に発見されてしまう。

「フフ…よ〜〜ぐ 見破ったガニィ」と言って素顔をさらけ出すと、シャチからは「な、なんだあれは!!」と言われ、さらにケンシロウからは「オレは カニ料理は好みじゃないんだがな……」と指を差されてしまう始末。この食糧難といえる世紀末で、まさかのカニ料理を拒絶するのかケンシロウ! 食えるときに食っておいたほうが良いと言ってやりたい。

 それにしてもこのシエはいつも語尾に「ガニィ」を付けており、笑い方も「ガニニニ!!」と、とにかく「ガニガニ」うるさく、自らを“カニ”と謳っているようなキャラだった。

 鋭くて大きなカマを装着したグローブを両手にはめており、それをクロスさせてハサミにしてケンシロウに襲い掛かるも軽くいなされ、最期は自ら仕掛けたワナに挟まれて絶命……。本当、何しに出てきたのだろう。

■ケンシロウの虫の居所が悪いときにケンカを売ってしまったギョウコ

 次は、ケンシロウがカイオウに敗れたのちに登場するギョウコだ。巨漢の修羅で部下に自身のベルトを装着させようとするのだが、太り過ぎて締めることができない。

 ギョウコは太っていることにコンプレックスを持っているのか、「少しおふとりになられたようですな」と言う部下に対し、「おまえ 今 ブタだと思ったろう」と聞いた挙げ句、一撃で乗っていた列車の屋外へと弾き飛ばしている。

 しかし、当の本人は「オレをブタと言ったやつあ 殺してやる あれ? どこいっちゃたんだ~?」と見えていない様子……。おいおい、大丈夫か? この時「ブプ〜」とため息を吐いているが……どう考えてもブタにしか見えないぞ。

 しかも、こともあろうか、ギョウコは手負いのケンシロウを倒せば自分の地位も上がると勘違いして、羅将・ヒョウの婚約者でもあったサヤカの葬儀を差し置いてケンシロウのもとへと向かうのだ。

 もちろん、傷だらけとはいえケンシロウの敵ではない。ギョウコはあっという間に両手を切り落とされ、ケンシロウに一言「ブタヤロウ!!」と罵られる。「ブ…ブタじゃない!!」と答えるも束の間、一撃で吹き飛ばされ、列車の先端にある突起物に突き刺さって絶命した。今思えば、こんなにも好戦的なケンシロウも珍しかったように思う。よほど虫の居所が悪かったのかもしれない。

 というか、サヤカの葬儀に行かなかったから、結局はヒョウにも殺されていただろう……。哀れな修羅だったな。

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