■歴代でも屈指の美形だが、独特すぎる言い回しが強烈なゼクス
最後は『新機動戦記ガンダムW』に登場するゼクス・マーキスだ。ゼクスの正体は、完全平和主義を唱え連合に滅ぼされたサンクキングダムの王子。ヒロインのリリーナの実の兄で、身分を隠して連合に所属している。服装は赤く、口元以外を隠した出で立ちや、敢えて仇敵に取り入る様は、まさにシャア・アズナブルのオマージュだろう。
才色兼備な彼だが、実はちょっと天然のようなところがあり、その特徴的な語録は『ガンダムW』ファンにはたびたびネタにされる。例えば、ヒイロの襲撃に備えるシーンで、隊員の1人が「こんな警戒体制で襲撃してくる奴なんていないでしょ?」というと「馬鹿は来る」と一言。
また、ヒイロと再戦した際には「今の私はミリアルド・ピースクラフトだ」と名乗るが「ゼクスか!」と全く相手にされない。以降、彼をミリアルドと呼ぶ者はおらず、何のために名乗ったのか……と思ってしまう。
そんなゼクスの天然ぶりは劇場版でも健在。「プリベンター・ウインド、これより支援を開始する!」とまた新たな名前を披露するも、ノインには普通にゼクスと呼ばれる始末。声優の子安武人の色気のある声と、端正な顔立ちも相まってシリアスな笑いを誘うが、そこがまた彼の魅力だろう。
冒頭で述べた『水星の魔女』でも、従来の仮面キャラと同様のポジションかはいまだ不明だが、主人公であるスレッタ・マーキュリーの母親であり、水星を本拠地とするシン・セー開発公社のCEOでガンダム・エアリアルの開発責任者、プロスペラが仮面を身に付けている。水星の過酷な環境下で損傷した身体補助のための「ヘッドギア」という建て付けだが、普通に外して素顔を晒しているシーンもあり、実態はまだ定かではない。他にも『∀ガンダム』のハリー・オードや『機動戦士ガンダムSEED』のラウ・ル・クルーゼなど強烈な仮面キャラが『ガンダム』シリーズにはたくさんいる。あなたの記憶に残っている仮面キャラは誰だろうか?