『機動新世紀ガンダムX』や『進撃の巨人』にも…「第1話」のエピソードタイトルが“壮大な伏線”になっていたアニメ・漫画3選の画像
G-SELECTION『機動新世紀ガンダムX』DVD-BOX(バンダイビジュアル)

 アニメや漫画の物語に張り巡らされた伏線が回収されると、なんとも形容しがたい心地よさを感じる。それは時に話の流れで回収されるのではなく、タイトルが壮大な伏線になっていたなんていうこともあるから驚きだ。今回は、第1話のタイトルが壮大な伏線になっていたアニメや漫画を紹介しようと思う。

■物語の最後に用意されていた答え『機動新世紀ガンダムX』

 まずはじめに『機動新世紀ガンダムX』の第1話「月は出ているか?」を紹介しよう。
『ガンダムX』では各話のキャラクターのセリフがそのままタイトルに使用されるのが特徴なのだが、第1話「月は出ているか?」は陸上戦艦「フリーデン」艦長のジャミル・ニートが、ガンダムXに搭載された月が出ている時だけ使用できるサテライトキャノンの発射を危惧して発したセリフだ。

 最終話では、新連邦軍と宇宙革命軍の戦争が終結。それまで人類を良くも悪くも縛り付けていたニュータイプ論を否定し、平穏な世界に向けて歩み始める形で幕を閉じる。そして最後に「次の時代がどうなるのか、それは誰にもわからない。だが、たとえ世界がいかなる形になろうとも、月はいつもそこにある。」というナレーションが入るのだが、この「月はいつもそこにある」というセリフが最終話のタイトルとなっているのだ。

 第1話の「月は出ているか?」という最初の問いに対して、「月はいつもそこにある」と答えるようなこの構成を初めて観た時は震えたものだ。誰もが予想していなかったこの仕掛けは、物語を最後まで追いかけてきた視聴者への最大のご褒美と言えよう。

■今も昔も変わらぬ無垢な笑顔『ONE PIECE』

 続いては『ONE PIECE』の第1話、「ROMANCE DAWNー冒険の夜明けー」。

 このエピソードでは、主人公の少年ルフィが憧れの海賊・シャンクスより麦わら帽子を預かり、やがて成長し一人で大海原へ旅立つ様子が描かれている。これから待ち受ける未知なる冒険に期待が膨らむ、『ONE PIECE』の歴史が始まった有名な1話であろう。

 このタイトルの対となるのが、第601話「ROMANCE DAWN for the new worldー新しい世界への冒険の夜明けー」だ。

 第601話では散り散りになった麦わらの一味が、それぞれ2年間の修行を終えて再び合流し、グランドライン後半の過酷な世界「新世界」に向けて旅立つ様子が描かれる。第1話では出航時に近海の主を殴り飛ばしていたルフィが、第601話では世界政府の人間兵器・PXー5を殴り飛ばしている。そして第1話の時と同じ笑顔で、「”海賊王“に!!!! おれはなるっ!!!!」と言うのだ。

 第1話の出航時とどこか似た雰囲気を醸し出す第601話。状況こそ違うものの、第1話を読んだ時のような、ワクワク感に満ちた回となっている。最後のコマでは、ルフィにかつてのゴールド・ロジャーの姿を見たレイリーが涙する様子が描かれているが、この時のルフィを見た読者もどこか懐かしさを覚えたり、成長した姿に感動したりとさまざまな感情を抱いたのではないだろうか。

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