漫画やアニメの大団円となる最終回で主人公が死んでしまうという作品は少なからずある。これまでずっと感情移入し、応援してきた主人公がまさか最終回にして死ぬという展開は、我々を大いに困惑させてきた。今回は主人公が最終回で死んでしまった衝撃的な漫画・アニメを紹介したい。
まずは、荒木飛呂彦氏による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第1部「ファントムブラッド」。主人公のジョナサン・ジョースターは宿敵・ディオを倒した後、エリナと結婚して新婚旅行に出る。しかし船旅の最中、首だけの状態で生き延びていたディオが現れ、ジョナサンに襲いかかる。最後はジョナサンは共倒れ覚悟で、ディオの首を抱きかかえながら爆発する船と共に海底へ沈んでいくところで第1部は終わった。
ラスボスを倒して安心したのも束の間の、突然の展開に驚いた人は多かった。しかし『ジョジョ』の血統にまつわる壮大な物語はここから描かれていく。船で2人が沈んでいくシーンが、3部の衝撃的な設定にも生かされているので、ハッとした人も多いのではないだろうか。
続いては、同情するか自業自得と思うかで意見の割れた『DEATH NOTE』を紹介したい。主人公の夜神月(やがみライト)は偶然手に入れた殺人ノート「デスノート」の力を利用して新世界の神を目指して「キラ」という名で悪人を裁き、ライバルであるLすらも葬ってきた。
しかしとうとう最終回目前で月にそのつけが回ってくる。Lの後継者であるニアやSPKに追い詰められた月は、最後の最後で半狂乱で「死にたくない」と懇願する。そんな様子を見て、月とずっと行動をともにしてきた死神のリュークは、自身のノートに月の名前を書いて、彼を心臓麻痺で殺したのだった。
多くの人を葬ってきた月がしてきたことは確かに日本の法律で言えば悪だが、ジャンプ読者の多くが、最終回の最後のページまで倫理観や正義とは何かを考えながら読んだ作品だったのではないだろうか。