■「神に感謝」「くっ ボーボボに負けた…」

 しかし票数が多ければいいというものではない。2021年にアニメ化もされた『吸血鬼すぐ死ぬ』では、投票できる票数が自由であったことで、とんでもない事態が起こっている。

 普通はハガキ1枚に対して1票を投じることができるが、この人気投票では、キャラと投票できる票数に制限を設けていなかった。

 その結果、総得票数が「20潤2溝400億3187万2259無量大数1158不可思議9994那由他7923阿僧祇5925恒河沙3394極17載227正5013澗7636溝3129穣701杼8436垓3237京5482兆1365億2080万2682票」というとんでもない桁になってしまったのだ。多くの人が聞いたことのない単位まで登場している。

 しかも投票できるキャラも自由だったため、3位に野菜のセロリがランクインするという未曾有のカオスな事態に。結果発表は大いに盛り上がった。

 そんな人気投票というイベントを逆手にとったのが澤井啓夫氏による『ボボボーボ・ボーボボ』だ。第3話の扉絵では架空の人気投票結果が掲載されている。

 もちろん、まだ話の全体像も掴めず、キャラも多くは登場していない3話にして人気投票が行われることは実際には滅多にない。

 この「人気投票パロディ」では、1位から10位までが全部ボーボボで占められている。ご丁寧にそれぞれのボーボボは性格が異なってるようで、1位のボーボボは「みんなありがとう」という王道キャラ、2位のボーボボは「フン」とクール系のキャラ。3位のボーボボは「神に感謝」とどこか強者感を感じさせるキャラで、4位のボーボボは「くっ ボーボボに負けた…」と悔しがっている。どのキャラも「こういう人、漫画にいるいる!」と思わせるクオリティと発想力の高さから、いまだにネット上でも人気のネタとなってある。

 本編以外のところでも注目を集める人気漫画たち。たまの機会のお祭り騒ぎを、作品ファンもそれ以外の人も楽しく動向を見守っているようだ。

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