漫画雑誌での人気連載作品では、読者によるキャラクターの人気投票企画が行われることが恒例となっている。こういった企画では必ずしも主人公が首位に立つということはなく、意外なライバルキャラや敵キャラが上位にランクインすることも。
読者にとっては好きなキャラが世間でどの程度支持されているかは非常に気になるところ。だが、人気投票企画が単純な調査の一面を持たず、結果発表の場を「大喜利」や「お祭り騒ぎ」にして楽しいイベントにしている作品も少なくない。今回はそんな思わず笑える読者の人気投票結果を紹介したい。
■作品の枠を超えてキャラがランクイン
まずは原作・白井カイウ氏、作画・出水ぽすか氏による『約束のネバーランド』。連載2周年で行われた人気投票では、『週刊少年ジャンプ』で同時期に連載されていた『鬼滅の刃』の我妻善逸がなぜか44票を集めて29位にランクインしている。この順位は、なんと作者である「出水ぽすか氏」とタイだった。
なお、逆に『鬼滅の刃』の人気投票にも『約ネバ』のシスター・クローネがランクイン。1回目は59位、2回目は52位で連続ランクインという健闘ぶりだった。
実は、こういった他の作品のキャラがランクインすることは珍しくない。人気投票では、1回しか登場しないモブキャラや無機物はもちろん、ウケ狙いで他作品のキャラに投票する人や作品に全く関係ないものに投票する人も少なくないようだ。
人気投票で、あるファンが生んだ夢のある話といえば『ニセコイ』だろう。
2013年に行われた第1回人気投票では、1位と2位にメインヒロインの2人が並ぶ中、4位にサブヒロインである橘万里花がランクイン。この万里花の有効票2694票中1500票が「千葉県のYさん」というファン1人による投票であることが誌面で明かされた。
第2回では、票数こそ明かされなかったものの「千葉県のYさん」の大量の投票のおかげで万里花は2位に。第3回では千葉県のYさんは投票をせず、編集部がざわつく騒ぎにまでなった。
同作の人気投票の代名詞となった「千葉県のYさん」は、第2回人気投票以降、自身も19位にランクインする事態に。同作の最終回では万里花がお見合いに行くシーンがあるが、そのお見合い相手ついて「千葉県在住の…」という、「千葉県のYさん」を思わせる文言があった。ファンの強すぎる愛が公式まで届き、次元の壁を越えた稀有な例である。