冨永みーなさんのことを知った作品は? 誕生日にキュートでボーイッシュ&しなやかな声の魅力を知る!の画像
『機動警察パトレイバー』1巻(小学館)より。
全ての写真を見る

4月3日は冨永みーなさんの誕生日。毎週日曜の『サザエさん』のカツオ役としてお馴染みで、近年は『開運!なんでも鑑定団』などナレーターとしても活躍中の冨永さん。今回は役者として、50年近いキャリアをお持ちの冨永さんが、今に至るまでにアニメで演じたキャラクターの魅力をプレイバック!

■子役から声優、そして『魔法の妖精ペルシャ』!

 1970年代、5歳の頃に子役として活躍を始めた冨永さん。特撮『ウルトラマンレオ』(74年)などでは、そのあどけない頃の姿を観ることができる。その冨永さんが最初期に声優に挑戦したのが、海外ドラマ『大草原の小さな家』(75年)。家族に笑いを巻き起こす可愛い三女のキャリー役だった。

 そして、10代で出演したのがアニメ『銀河漂流バイファム』(83年)や『魔法の妖精ペルシャ』(84年)。特に後者では魔法少女・ペルシャを好演。このペルシャ、魔法少女だが、アフリカで育った野生児という肉体派で魔法の力によって大人の姿に変身するという変化球なキャラ。しかしながら、冨永さんの無垢かつ真っ直ぐな声音が、ペルシャにマッチし、一躍人気作となった。
 この朗らかな無垢さはのちの『めぞん一刻』(86年)の七尾こずえ役のちょっと不思議ちゃんで健気なガールフレンドというキャラクターで、より日常感を獲得。五代裕作を翻弄する魅力的な大学生を演じきった。

■『機動警察パトレイバー』泉野明というヒロイン像

 89年、ボーイッシュなロボットアニメヒロイン、そのエポックメイキングとなった作品が生まれる。『機動警察パトレイバー』の泉野明だ。野明は「特車二課 第二小隊」に所属する警察官で、汎用多足歩行型作業機械であるレイバー・イングラムに乗り、犯罪者と対峙する。冨永さんはこの役で劇場版におけるまで、快活かつちょっと天然な少女の成長を演じきり、自身の代表作にしている。また古川登志夫さん演じる同僚の篠原遊馬とは夫婦漫才的会話劇を魅力的に演じ、『パトレイバー』シリーズを未曾有の人気作に仕立ててしまう。

 野明の明朗で活発なキャラクター性はのちに『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(91年)のマァム役で、大人びた魅力を発揮。また、『地獄先生ぬ〜べ〜』(96年)では、主人公の教師・鵺野鳴介のクラスのトラブルメイカー、細川美樹役を演じ、ちょっぴりエッチなシーンや、ボケ&ツッコミもこなすコメディシーンで魅力を爆発させた。さらに96年には『アンパンマン』で善と悪の2つの心を持つ異色のキャラクター・ロールパンナちゃんを演じ、冨永さんは、次々と新たな役どころに挑戦していく。

■ちょっぴり悪魔なドキンちゃん=冨永さん!

 冨永さんが男の子を演じたことで話題になったのは95年の『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』明神弥彦役。弥彦は、孤児ながら、主人公・剣心に憧れ、神谷道場で剣の修行を積む、少年マンガ的なキャラクター。作中でも活発に物語を牽引し、存在感を示した。以降、冨永さんの男性声はますます増えて、『ビックリマン2000』(99年)の主人公・星天使タケルや、98年から『サザエさん』の3代目となる磯野カツオ役でも、さすがの演技力を届けてくれている。そして、18年からは『アンパンマン』でドキンちゃん役を担当。ドキンちゃんの「おしゃま」でキュートなキャラクター性はやはり冨永さんの真骨頂だと噛み締めるばかり。

 近年は、その魅力をナレーションでも体現。お茶の間にすっかりお馴染みの声となっている。芸能生活50年以上の職人的声優・冨永さん。その明るく朗らかな声に癒やされ、ホッとするのは、子どもたちのみではないだろう。ぜひ、今あらためてあなたの好きな冨永さんの声を探してみてほしい。

全ての写真を見る