『タッチ』『ドカベン』『名門!第三野球部』の選手たちはどう? 大谷翔平に対抗できる“野球漫画キャラ”はいないのかを考察してみたの画像
少年サンデーコミックス『タッチ』完全復刻版第13巻(小学館)

 日本中を熱狂の渦に巻き込んだ2023WBC。各国の並み居る選手たちを押しのけてMVPに輝いたのが、“世界の二刀流”と称される大谷翔平だ。日本プロ野球のみならずメジャーリーグでも大活躍で、もはや説明不要のスーパースターといえるだろう。そんな大谷のスーパープレイの数々は、まるで「漫画の世界」と言われることも多いのだが、実際のところ彼に対抗できる野球漫画キャラはいるだろうか。ちょっと探してみようと思う。

■剛速球を投げる右腕エースならあだち充勢の『タッチ』の上杉兄弟に『H2』の国見比呂

 大谷翔平は、右投げの剛速球を繰り出す本格派投手だ。球速160キロ超えともなれば、漫画キャラといえどなかなかお目にかかれない。右腕投手の漫画キャラで大谷に匹敵するとしたら、あだち充氏による『タッチ』の上杉達也と和也の兄弟、そして『H2』に登場する国見比呂だろう。

 この3名は全員規格外の高校生であり、間違いなくプロ野球でも注目を集める存在といえる。甲子園で活躍したのは国見比呂で、実際に優勝投手になっている。驚異的なスピードとスタミナ、そして抜群のコントロールを持っており、投手として申し分ない才能だ。まず相手がバットに当てられないから、どちらかというと元阪神タイガースの藤川球児のようともいえるな。

 そして上杉達也もまさに本格派で、甲子園予選では大活躍した。ただ、ちょっとムラがあるので浅倉南にはマネージャーとしてベンチ入りしてもらいたい。そして、忘れてはならないのが達也の弟・上杉和也だ。1年生ながら甲子園予選では準決勝までわずか1失点のみという離れ業を見せた。不慮の事故で帰らぬ人となってしまうが、もしも決勝戦のマウンドに上がっていれば甲子園に行けていた可能性は高いだろう。

 ただ、どこか飄々としているこの3名はバイタリティが今一つ分からない。プロとして最後まで活躍したいと考えていたのは、和也だけではないだろうか。ただ、和也は南と結婚していたら野球をしなくても良さそうだし……。また、国見と達也に関しても、なんとなく草野球で満足しそうなタイプに見える。

 その点では、やはり一線で活躍し続けるストイックな大谷に軍配が上がるだろう。

■“左の大砲”として大谷に匹敵する『ドカベン』山田太郎

 大谷翔平は打者としては左打席に入っている。“左の大砲”として最強の漫画キャラといえば、もはや水島新司氏の『ドカベン』に登場する山田太郎以外にいないだろう。ポジションこそ捕手と大谷との違いはあるが、打者としての才能はおそらく負けていない。

 抜群のバットコントロールで強打と巧打も超高校級。甲子園に5回出場して4度の優勝、打率7割5分・20本塁打ととんでもない成績を残している。これには大谷も脱帽ものだろう。

 そして山田はプロ野球でも大活躍している。ドラフトでは10球団から指名があり、高卒1年目から本塁打王と打点王の二冠を制して新人王を獲得。その後も6度の本塁打王、三冠王にも1度輝いている。

 ただ、大谷は投手をしながらの打撃であり、飛距離的には山田にも負けないほどの怪力だ。そして、足も速い。メジャーリーグの2021年には投手として9勝を上げながら、46本塁打、26盗塁と規格外の活躍でリーグMVPに輝いている。鈍足がネックな山田は、打撃面でしか勝負できないか……。

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