■鉢植えに亡き妻の爪を植える

 続いては、怨みをテーマにしたミステリーホラー『地獄少女』。

 同作では、強い怨みの念を持つ者が深夜0時ちょうどにアクセス可能となる架空のウェブサイト「地獄通信」が登場する。ここに地獄へ流したい人物の名前を入力して送信ボタンをクリックすると、死後自分も地獄に流される代わりに、対象を厳しい制裁とともに地獄へ流すことができるというものだ。

 嫌なことがあったとき、藁にもすがる思いで必死に0時に地獄通信を検索した人は多いのではないだろうか。なお、現在この地獄通信はファンの手によって限りなくリアルなサイトが再現されているので、見ると一瞬ドキッとしてしまう。

 最後は光原伸氏による『アウターゾーン』。第9話「血と爪」では、妻を強盗に殺害された男性が黒魔術の本に書かれた「死者を蘇らせる方法」を実践する。

 その方法は、死んだ人の体の一部(この場合、妻の剥げた爪)を土に埋めて、毎晩午前0時に人間の血をかけて育てるというもの。これを6日続けることで、7日目に肉体が復活するという。

 主人公の男性は途中で魂を戻すにはいけにえが必要と知り、自分が犠牲になってでも妻を生き返らせようとする。だが、あとのことを友人に頼むつもりが、妻を殺した犯人がその友人だったことを知る。最終的には儀式によりよみがえった妻が友人を生贄として殺してしまったというストーリーだが、やはり何事にも代価は必要ということだろうか。

 漫画で描かれたこれらの儀式を実際に試したことがあるという人は少なくないだろう。もちろん試してみても本当に怖いことが起きることはないが、何も起きないことで、逆に安心したという人もいるのではないだろうか。

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