もうすぐ新入学の季節。漫画やアニメには、普通の人には入れない特殊な学校が物語の舞台となることがある。授業内容も変わったルールも、普通の学校なら絶対にありえないものばかり。そんな学校に憧れた人も多いのではないだろうか。今回は、漫画やアニメに登場した特殊な才能のある人だけが入れる変わった学校を紹介したい。
まずは堀越耕平氏による『僕のヒーローアカデミア』に登場する偏差値79の国立雄英高校の「ヒーロー科」。このほか普通科、サポート科、経営科があるが、ヒーロー科はヒーローを養成するための、入学倍率300倍という超難関の学科だ。
同作では人口の約8割が「個性」と呼ばれる超常能力を持つ世界。ヒーロー科は敵(ヴィラン)を個性で取り締まるヒーローになるための学校で、授業内容も特殊でハイリスク。
USJと呼ばれる多様な災害や事故を想定した演習場や、作中でオリンピックに変わるスポーツの祭典となっている雄英体育祭、能力強化や弱点克服の研修プログラムが組まれる夏の林間合宿など、一見どのイベントも派手だが、全てが評価の対象であったり、ヒーロー資格試験に受かるために必要なものばかり。イベントすらも研鑽を積み重ねるためだと思えば、いっときも気が抜けない。
続いては宮下あきら氏の漫画『魁!!男塾』。「男塾」は創立300年以上の歴史を持つ全寮制の私塾で、全国の不良少年たちを集めて次世代のリーダーを育成することを目標とした学校だ。
毎朝塾長が回転する的に矢を射って授業内容を決めると言うトンデモシステムで、その内容もヒドいものばかり。
どんな障害があってもひたすら直進する直進行軍や、ロウソクの火が完全に消えるまで火を起こした熱い油の中につかり続ける油風呂、果ては1対1の殺し合いをする殺シアム(しかも観戦料金を徴収することで塾の経営を維持しようとしている)など、男塾に入ってしまったら命がいくつあっても足りない。絶対に入りたくない学校である。
続いては樋口橘氏による『学園アリス』から。舞台である「アリス学園」はアリスと呼ばれる特殊な能力を持つ人が入るエスカレータ式の全寮制学校だ。
一度入学すると卒業するまでは外に出ることができず、両親との面会もできない。外部との連絡は手紙のみ、など制約が多いのが難点で、同校では階級制度を取り入れている。この階級は能力や生活態度によって決まり、結果によって小遣いや食事内容が変わる。青春時代を過ごす少年少女には、あまりに不自由な環境のように思える。
それに比べると、芥見下々氏による『呪術廻戦』の舞台である「呪術高等専門学校(通称:呪術高専)」は、成果によっては在学中に報酬も支払われるので、早く一人前になりたいという人には向いているかもしれない。
呪術高専は呪術師になるための、日本に東京と京都の2校しか存在しない4年制の呪術教育機関。多くの呪術師が卒業後もここを拠点に活動しており、卒業後も仕事の斡旋やサポートを行ってくれる手厚い機関で、校舎は結界によって守られている。
同校では高等学校に相当する授業もきちんと行われており、学費は免除、寮に住むこともできるので、人によってはとてもありがたい環境だ。しかし任務ではもちろん呪霊との戦いで死亡する可能性もあるので、安易に入りたいとは思えないのだが。
このほか、加藤和恵氏による漫画『青の祓魔師』では、主人公の奥村燐の入学した正十字学園に「祓魔塾」という祓魔師養成機関が存在する。授業内容は悪魔薬学、悪魔学、グリモア学、魔法円・印章術、聖書・教典暗唱術、悪魔歴史学、体育・実技、剣術など、祓魔師になるための専門的なものばかりだ。早くから才能を見出していれば、こういった専門的な学校で学んでみたいものである。
変わった学校でワクワクした日々を送りたいが、アニメや漫画に登場する学校はどれも意外と大変そうだ。