■『バイオハザード RE:3』無限武器がないと話にならない難易度「インフェルノ」

『バイオハザード RE:3』は、1999年に発売された『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(以下、バイオハザード3)のリメイク。時系列的には『バイオハザード2』と一部が重なっており、T-ウィルスの流出によって未曾有の災害に見舞われたラクーンシティを舞台に、シリーズ第1作のキャラクターだったジル・バレンタインの脱出劇が描かれる。

 タイラントの発展型であるネメシスという新たな敵が出てきたり、後のシリーズにも取り入れられたやり込み要素「ザ・マーセナリーズ」が初めて実装されたりと、『バイオハザード3』にも印象的な要素は多い。

 本作は前作のリメイク版よりもボリュームが少ない一方、周回プレイを意識した趣向が凝らされている。その極みとも言えるのが、難易度「インフェルノ」だ。

 インフェルノは、「ナイトメア」という難易度で本編をクリアすると解放される。敵の攻撃力や体力が上昇、さらに敵自体の配置がほかの難易度と異なるナイトメアのさらに上をいく難しさで、オートセーブ機能はなく、ステージ中に置かれるタイプライターの数も少なく、セーブができる機会も限られてくる。さらにそこらのゾンビに嚙みつかれるだけでも致命傷になるので、一瞬たりとも気が抜けない。

 敵の強さやシステム上の制約から、もはや道中で手に入る武器やアイテムだけではまともに進められないレベルであり、弾数に制限のない無限系の武器を持ち込むことがほぼ前提になっていた。

 インフェルノなどの高難度モードは、やり込みを求める一部向けの要素ではある。だが、敵やアイテムの配置が変わるといった要素は、PC版のゲームに多いMOD(有志が開発した改造データで、元となるタイトルの中身を改変できる)にも通じる仕様で、MODのようなコンテンツの需要に対しカプコンもカバーし始めたのではないかと、個人的にはかなり好意的に感じられた。

 初代『バイオハザード』のリメイクに始まり、その後「RE」と冠して出てきた『バイオハザード』は、最新機のグラフィックなどを活かして元のタイトルを巧みに再現してきた。現在発売中の『バイオハザード RE:4』は体験版が配信されているので、気になる人は試しに遊んでみるといいかもしれない。

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