漫画『SHAMAN KING FLOWERS』を原作としたテレビアニメが2024年1月より放送されることが発表された。本作は武井宏之氏による『SHAMAN KING』の正統な続編で、前作主人公の麻倉葉と恐山アンナを両親に持つ息子・麻倉花を中心とした物語。花は両親それぞれの容姿と霊力、さらに父親の持霊・阿弥陀丸を受け継いでいる。
このようにアニメや漫画では、親から子へと世代を継いで物語を描く作品がある。たとえば『週刊少年ジャンプ』で現在月1回で連載中の『BORUTO-ボルト-』は岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』のその後を描くスピンオフ作品で、主人公・うずまきナルトの息子・ボルトの活躍などが描かれている。
こうした世代交代によるバトンタッチは、前作で人気のあったキャラや世界観などを使用できると同時に、読者にとっても大まかな下地ができているため受け入れやすいというメリットがありそうだ。
■その身に受け継がれる「血」と誇りによる壮絶な戦いの歴史
2023年2月17日発売の『ウルトラジャンプ』3月特大号で、待望の第9部「The JOJOLands」が開始となった荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズもそうだろう。
第1話が公開されると同時に、主人公ジョディオ・ジョースターの名前に含まれる「ディオ」に多くのファンが反応し、「あの人物に関係があるのでは?」と話題となった。
『ジョジョ』シリーズは、第一部のジョナサン・ジョースターから始まり、第二部は孫のジョセフ・ジョースター、第三部はジョセフの孫・空条承太郎など、シリーズごとに主人公が「ジョジョ」の呼び名とともに継承されていく物語。第四部の主人公・東方仗助はジョセフが晩年にもうけた隠し子のため、成人した承太郎よりはるかに年下(高校生)の叔父となる複雑な家庭事情を露見したうえ、1つの物語に3世代3名の「ジョジョ」たちが揃う作品となった。
ジョースター一族の壮大な冒険と血の宿命を描いた本シリーズであるが、荒木氏はインタビューのなかで発想の原点をアメリカの大河ドラマ『エデンの東』であり、「世代を重ねる」という着想はここから生まれたと語っている。『エデンの東』は旧約聖書をモチーフとした作品で、「大河ドラマを描きたかった」という荒木氏の思いは1986年から約37年の間『ジョジョ』という形で表現され続けているのだ。
ちなみに、『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空は悟飯や悟天という二人の息子をもうけ、ともに戦うことになる。その後、悟空には孫娘・パンも誕生するのだが、子どもらに「主役の座」を明け渡すことなく、2022年公開の最新劇場用アニメ『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』でも現役で戦い続けているのだから、トンデモなお爺ちゃんだ。