■脚を負傷していたとはいえ…残虐ファイトを展開したテリーマン
正義超人のなかでも、キン肉マンと長年の信頼を築いているのがテリーマンとロビンマスクだろう。実はこの両者、第20回超人オリンピックの準決勝で対決しているのだ。後年の二人からするとまさに夢の対決となるのだが、当時はまだライバル関係だった。
テリーマンは、キン肉マンを狙ったキン骨マンの銃弾によって左足を負傷していた。のちに切断して義足になるのだから、相当のダメージだったのだろう。クリーンファイトでロビンマスクに勝てないと知ると、テリーマンはいきなり砂を投げつけて目くらましを食らわせる。さらに、メリケンサックを用意し、ロビンマスクの仮面をボコボコに殴り飛ばしていくのだ。
極めつけは、場外に投げ飛ばしリングアウト勝利を狙うという鬼畜ぶり。ただ、ロビンマスクには通用せず、最後は痛めた脚を攻められてギブアップとなった。試合終了後にはのちに妻となる翔野ナツコによって脚の負傷がリング状で周知され、ロビンマスクとも和解していたが。でも、いくら脚を負傷していたとはいえ、あんな戦いぶりは正義超人らしくないだろう……。
うん、待てよ……そういえばテリーマンは初登場に父親を救ってほしいと少年に怪獣退治の依頼を受けていたな。そのときに「マネーのほうはもってきたんだろうね!」と、まさかの一言。
少年が「うん!」と言ってパンダの貯金箱を壊すと、そこには必死に貯めたであろう小銭が数枚……。なんと健気なんだと感動することもなく、テリーは笑いながら「ボーイ おとなをからかっちゃいけないよ!」と言い放って、なんと少年を蹴り飛ばす。ええ!? 最低だぜ……!
もちろん、その後怒ったキン肉マンに殴り倒されるのだが……それにしてもやっぱり根は悪の心を持っているのかもしれないな。
さて、キン肉マンに登場するキャラたちは、全員が一度は悪に染まったかのように見えた。ウルフマンも当初は嫌な性格だったし、初登場から清い心を持ち続けていたのはキン肉マンとジェロニモくらいだろうか。
まあ、格闘技は仲良しこよしでは強くならない。それなりに冷酷な心を持たないと、あんな技の数々を繰り出せないのかもしれないな……。