『ジョジョ』に『からくりサーカス』主人公の圧倒的“真の漢”オーラに惚れ込みその身を捧げた「感動を生んだ」敵キャラたちの画像
ゼノンコミックスDX『花の慶次-雲のかなたに-新装版』第1巻(コアミックス)

 漫画やアニメの主人公の中には、カリスマ性が高く同性までも虜にしてしまうキャラクターも数多い。特に少年漫画の場合、「男が惚れてしまう男」というのは、見た目ではなくそのキャラクターの生き様に惹かれてしまうことが必須条件で、ブレることのない信念や、仲間や家族のために命を張る男気など、真っ直ぐすぎる姿勢こそが周りの人間の気持ちを動かすものだ。そしてそれは、時に敵ですら心変わりさせてしまうこともある。

 今回は、そんな主人公の“真の男”の姿に突き動かされ、敵から仲間になってしまったキャラクターたちを紹介したい。

■貧民街を抜け出し生涯を惚れた男に捧げたスピードワゴン

 荒木飛呂彦氏の代表作である伝奇ロマン『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)は、今年2月より新たに第9部として『The JOJOLands』の連載が開始した人気作品だ。そんな『ジョジョ』の原点である第1部には、主人公のジョナサン・ジョースターを誰よりも敬愛する男がいる。それが、最初は敵としてジョナサンの前に現れたスピードワゴンだ。

 ジョナサンが父親の病を治すため食屍鬼街(オウガーストリート)を訪れた時に、スピードワゴンは世間知らずのカモに見えたジョナサンを狙う。しかし、父親の命を救うという強い信念の元にこの街を訪れていたジョナサンは、屈する素振りを全く見せず、骨をも切り裂く鋭い刃を腕で受け止めると強烈な蹴りを食らわせてスピードワゴンを倒す。しかもこの時ジョナサンは、スピードワゴンが重傷にならないように手心を加えるという余裕まで見せつける。

 大切な人のために命を張る男気と、敵であるはずの自分に対してすら気遣いを欠かさない姿を見て、スピードワゴンはすっかりジョナサンに惚れ込んでしまう。そして、「おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン」とお決まりのセリフで、ジョナサンに付き従うようになっていく。さらに、それだけにとどまらず、ジョナサン亡き後はアメリカに渡り油田開発によって一代で財を成し、スピードワゴン財団を設立して長きに渡ってジョースター家を支え続けることになる。

 初登場時にはジョナサンに一撃でやられてしまった雑魚キャラに思えたスピードワゴンが、ここまで長く『ジョジョ』の世界観の中に息づき、欠かせないキャラクターになるとは、当時は誰もが予想できなかっただろう。

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