『北斗の拳』トキ、『スプリガン』朧も…バトル漫画で主人公を凌駕する力を発揮した“脇役たちの戦闘シーン”3選の画像
『北斗の拳』究極版 第7巻(コアミックス)

 バトル漫画には強烈な強さを持つ脇役キャラがいるもので、時に主人公を凌駕する実力を発揮する。『北斗の拳』のラオウのようなボスキャラは存在感も大きいものだが、普段は大人しくて冷静沈着なキャラほど意外な強さが魅力的といえる。

 そこで、筆者が大好きなバトル漫画の脇役キャラの戦闘シーンを3つ挙げたい。

■死の間際に快楽を味わせて地獄へ突き落す『北斗の拳』トキ

 まずは、原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による名作『北斗の拳』に登場するトキだ。

 優しくて弱者の味方のトキは、北斗神拳の歴史で最も華麗な技を持つと言われ、その強さはラオウやケンシロウだけでなく、ジャギすらも認めていたほど。

 ケンシロウとユリアを守って“死の灰”を浴びてしまった彼は伝承者になることを諦め、その後、医学の道へと進むもカサンドラの牢獄に囚われてしまう。

 ケンシロウが救出に向かった際、牢獄で座禅を組んでいたトキに対し、屈強な体格の拳王親衛隊の二人が剣で斬りかかるのだが、トキはそれをピシッと指先だけで受け止めた。さらに、「は~〜〜」と気合を入れて手を振りかざすと、闘気が拳王親衛隊の体をすり抜け、床と後方の壁に亀裂が入る。

 そしてトキは、「北斗有情拳!!」「せめて痛みを知らずに安らかに死ぬがよい……」と、座禅を組んだまま静かに彼らに伝えた。技を受けた拳王親衛隊はたちまち腕や足が逆の方向に曲がっていくも痛みを感じず、むしろ「いい気持ちだ〜〜」と、恍惚の表情を浮かべながら死んでいく。そう、トキの拳は、“死ぬ間際に天国を感じる”というとてつもない技なのだ。

 多くの人の命を助ける慈悲深さを持つ反面、凄まじい実力を持つトキ。いくら天国気分を味わえるとはいえ、その先には爆死が待っているとか恐ろしすぎる……。

■その強さは地上最強!? 銃や剣でも間合いを掴むのが難しい『スプリガン』朧

 次は原作:たかしげ宙氏、作画:皆川亮二氏によるSFバトル漫画の『スプリガン』に登場する朧だ。

 彼は武術と気功の達人で特殊機関の「アーカム」に所属しているが、主人公・御神苗優が愛用している“A.Mスーツ”(通常の30倍の身体能力を発揮することができる)に頼ることなく、生身の身体で銃弾をかいくぐって敵をせん滅する。

 優の師でありお兄さん的存在な朧は、普段は大人しいのだが、登場したら基本的に負けない。人間を超えた存在とも称されている彼の目標は、なんと「仙人」になること。少し暴走気味になってしまう優に説教をすることもあり、組手では優は一度も勝てないでいる。

 朧の凄さは気配を殺せるところと、どれだけ強化している相手でも気功で吹き飛ばせるところだろう。戦闘シーンはあまりに素早い動きで敵を翻弄し、笑みを浮かべる余裕すらあるので、ザコキャラが可哀そうに思えてしまうほどだ。

 優と戦いたいがためにアーカムを裏切り、敵側に一時寝返った朧。仲間だったジャンが獣人化してパワーアップしても軽くあしらい、A.Mスーツを着ている優を簡単に吹っ飛ばしている。トキ同様、絶対に怒らせてはいけない存在といえるだろうな。

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