『北斗の拳』ラオウに『機動戦士ガンダム』シャアも…どんな時代でも“グラスを持つ仕草がさまになるボスキャラ”3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』10巻(徳間書店)

 名作漫画やアニメには、ワイングラスがよく似合うキャラがいるものだ。時に主人公を凌駕する存在のボスキャラこそ、グラスを持つ仕草がさまになっているように思う。そこで、ワインが似合い過ぎる強者たちを3人紹介していこう。

■拳王だって時には浸りたい! ワイングラスを片手に佇むさまがカッコいい世紀末覇者『北斗の拳』ラオウ

 まずは、原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による『北斗の拳』に登場する「ラオウ」だ。このラオウは“拳王”として説明不要の世紀末覇者。そんな拳王にも、ワインをたしなんでいるシーンがある。

 聖帝サウザー編でシュウたち反乱軍の味方となったケンシロウは、単身サウザーに勝負を挑みに行く。そのころラオウは居城でワイングラスを手に、テイスティングをしている様子だった。テーブルの上にあるボトルはワインというよりウィスキーにも見えるのだが、この際、ワインということで良いだろう。

 急な部下の訪問にもかかわらず、「どうした」「なにかあったのか」と優しく聞くあたり、アルコールで疲れた体を労わっていたのかもしれない。豪華な椅子に座って佇むさまは、とてもカッコいい雰囲気だ。

 そして、ラオウは部下からケンシロウがサウザーに戦いを挑むことを聞くと、「なに!!」と言いながら、グッとワインを一気飲み。う〜む、ソムリエがいたら注意されそうだ……。

「まだ早い!」と憤るラオウに対し、この部下は「しかし…ケンシロウは拳王様に あれほどの傷を与えた男……」「それが なぜサウザーに勝てぬのですか」と、まさかの進言。ええ、拳王に異論を唱えて大丈夫なのか!?とヒヤヒヤする場面だったが、酒に酔っていたのか饒舌になってその理由を説明するラオウ。

 ところが、「だが!!」と言って、なぜかグラスを握り潰して粉々に割ってしまう。いや、そんな上司は怖すぎる! しかも割ったグラスからはワインが零れていた……って残してたんかい! このときの部下の行動として、次のワインを用意するのか、手指の手当をするのか、グラスの破片を片付けるのか……どうしたらいいのだろう。

■ボトル置いておけよって思われていそう…チビチビ楽しむ『DRAGON QUEST−ダイの大冒険−』大魔王バーン

 次は、監修:堀井雄二氏、原作:三条陸氏、作画:稲田浩司氏による『DRAGON QUEST−ダイの大冒険−』に登場した魔界の王「大魔王バーン」だ。真の強者として序盤から登場している彼は、常にワインとチェスを嗜んでいる。

 バーンは無類のワイン好きであり、グラスもなんか独特でカッコいい。ラオウと違ってチビチビ楽しむ真のワイン愛好家だと思われる。

 魔界にも産地があるのだろう。ロン・ベルクを仲間に引き入れようとしたときにはかなり豪華な接待を催していた。おそらく最高級のワインだと思うが、これを用意するのは何百年と付き従うミストバーンだろう。彼がどこかに発注しているのか、常に切らさないように準備しているように思える。

 ダイとバランが海底にある魔宮の門を壊すとき、バーンパレスにも地響きが起こってしまい、天井から崩れた瓦礫の破片がバーンのワイングラスに入ってしまった。バーンは少し考える素振りをしながらグラスを放り投げて消滅させ、ミストバーンに「代わりをもて」と命令する。すかさず「はっ!」と了承するミストバーンだが、彼がグラスを用意してワイン蔵(あるのかな?)から持ってきて注ぐのだろう。

 しかし、ワインというのは正しい注ぎ方が必要だ。礼儀やマナーに厳しそうなバーンだけに、一流の作法が必須といえる。とはいえ、毎回こんな調子なら「横にボトル置いとけよ大魔王」ってミストバーンが思っていてもおかしくはない……こともないかな。

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