■残り10秒で赤木のシュートをミスさせた陵南・福田吉兆
次は、湘北の最大のライバルといえる陵南高校との決勝リーグ第3戦だ。この試合は体調不良で入院となった安西監督が不在の中、勝ったほうが全国へ行けるという重圧のかかる一戦。
奮闘を見せる湘北は、陵南の大黒柱である魚住純を4ファウルでベンチに退かせることに成功。リードをしたまま後半を優位に戦っていく。一時は15点差まで開いた点差だったが、陵南は魚住が試合に復帰し覚醒した後に、エース・仙道彰の大活躍で一気に2点差まで詰め寄る。
ラスト10秒、赤木が魚住を抜いてシュートに向かうのだが、それをブロックしにいったのはまさかの福田吉兆だった。彼はオフェンス力を買われて出場していたが、ディフェンスに関してはあまり得意ではない選手。ここへ来てカッコいい演出をするものだ。リングを弾いて外れた赤木のシュートを見た時の、福田の“してやった感”の誇らしげな表情がなんとも良かった。
もしも残り10秒で陵南ボールになれば、この試合の主役でもある仙道の突破で同点、もしくは3Pプレーで逆転が可能だったかもしれない。しかし、そこへまさかの桜木がダンクを決め、4点差のまま試合は終了で湘北が勝利したのだが……、いや、でもナイスプレーだったぞ、福田!
それにしても牧ではないが、全国の舞台で仙道を見たかったな……。
■全国王者山王の最強コンビ相手にシュートブロックして窮地を救った湘北・赤木&桜木
最後は湘北がインターハイ2回戦目で戦った、全国王者・山王工業との一戦で見せた赤木と桜木のブロックだ。
一時は20点以上もの差をつけられた湘北だが、驚異の追い上げを見せ、残り49秒で1点差まで詰め寄る。
しかし、残り38秒、最強センターの河田雅史がダンクを決めようとする。これまでさんざん河田に苦しめられてきた赤木だったが、ここでなんとゴリラブロックが炸裂! さすが、ダンナだぜ!
ブロック後のルーズボールを桜木が拾うも、背中を痛めていた桜木は河田・深津一成・沢北栄治といった強力なディフェンスに囲まれ、ボールを奪われてしまった。
すでにオフェンスに向かっていた流川は沢北のマークを外しており、その沢北がボールを持ってダンクへ向かう。しかし、ここで「返せ…」と、背後からブロックしたのが桜木だ。山王のなかでも絶大な得点力を誇る最強コンビを相手に、赤木と桜木の師弟コンビが意地を見せたのだ。これには燃えたな。
ただ、ここから流川がボールを持ってダンクに向かうも、それを後方からブロックしたのも河田だ。なんだこの高校生は!と思ったものの、これまたルーズボールに桜木が飛びつき、大嫌いなはずの流川へパス。これを流川が決め、湘北はついに逆転に成功したのだ。
この一連の流れは流川が桜木にパスを出した、ラストの大逆転シュートにもつながるといえよう。それだけに桜木と赤木のブロックは大きな意味があったと思う。
それにしても『SLAM DUNK』はいつ読み返しても熱くなる。『THE FIRST SLAM DUNK』の映画が公開されているだけに、余計に読み返している人も多いだろう。試合終了間際のディフェンスシーンは、本当に興奮するものばかりだったな。