『SLAM DUNK』試合終了間際に“決定打を止めたディフェンスシーン”3選 海南の清田、陵南の福田も…の画像
『SLAM DUNK』8巻 [DVD](東映)

 井上雄彦氏による名作バスケットボール漫画『SLAM DUNK』では、ダンクに代表される派手なオフェンス面に興奮するものだ。しかし、実際のバスケさながらのディフェンスシーンも、重要な場面でかなりのインパクトを残していた。なかでも、試合終了間際の気迫のディフェンスの数々は大きな功績だったといえるだろう。そこで、『SLAM DUNK』における、筆者がとくに興奮した決定打を止めた秀逸なディフェンスシーンを紹介していこう。

■湘北の大逆転を阻止した海南大附属・清田信長

 インターハイ神奈川県予選の決勝リーグ初戦で湘北高校と対戦したのが、県内ナンバーワンプレイヤーの牧紳一率いる王者・海南大附属高校だ。

 絶対的な強さを誇る海南に対してキャプテン・赤木剛憲の負傷しながらも気迫溢れるプレーや、エース流川の超人的な活躍もあり、湘北は必死に喰らいついていた。

 そんな名門の海南で、1年ながらレギュラーとして出場しているのが清田信長だ。主人公・桜木花道のように明るく破天荒なキャラクターながら、178センチという身長なのにダンクができるほどの素晴らしいジャンプ力、そして、卓越したバスケットセンスを持つ。

 4点差で終盤戦に入り、残り時間も20秒を切ったなかで桜木が覚醒。シュートフェイクから牧を相手にダンクを決め、バスケットカウントワンスローを取った。しかし、まだ2点差なのでフリースローが入ったとしても湘北は1点差で負けてしまう。体力の限界だった彼らが勝つには、3Pシュートで逆転するしかなかった。

 筆者もここはフリースローをわざと外して3Pシュートだろうと思っていたのだが、リバウンドが得意な花道が投げるので、湘北には赤木しかいない。どうなるのだろうと思っていたら、桜木の思いが伝わったのか赤木が見事にリバウンドを確保。そしてすかさず、3Pシューターの三井寿へパスを出した。さすがの牧も「なにっ!?」と驚きを見せていたが、ここで清田はブロックへと走り、三井から放たれたボールに手を伸ばした……。

 ゴールを確信してガッツポーズを握ろうとした三井だったが、なんとシュートは外れてしまう。実は清田、桜木のフリースロー中に三井がゴールを狙うように見つめていたことを警戒しており、ブロックに間に合うことができたのだった。

 結果的に湘北は敗れてしまうのだが、試合後、三井が「さわってたのか…」と言うのに対し、清田は「ツメだけな」と、流血する中指を見せている。さすが1年ながら海南でレギュラーを取るだけの逸材だった。

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