■諸説ありまくりのザク「黒い三連星専用旧ザク」

「ドム」で有名な三人組のエースパイロット「黒い三連星」にも専用ザクが存在する。一年戦争開戦当初のルウム戦役で「黒い三連星」が使用した旧ザクである。

 旧ザクは右肩にアーマーが無い点が特徴的だが、「黒い三連星専用旧ザク」も同様。プラモデルでは肩アーマーの装備された左腕に、さらにスパイクシールドを装備させることができ、非対称のアンバランスさが際立つアシンメトリーならではの魅力を持つ機体だ。

 色は黒を中心に、紫とグレーが加わったトリコロールカラー。光沢が目立つ黒に、互いを引き立たせる紫の入った配色はシックで渋い。彼らのドム同様に落ち着きのあるかっこよさがある。各指揮官によって微妙な装備の違いもあったりと、細かい部分まで設定が知りたくなる機体だ。

 今回は「旧ザク」を紹介したが、「黒い三連星がルウム戦役で使用したザク」については、『ガンダム』シリーズの中でもさまざまな説があり、バリエーションがあるザク専用機の宝庫である。今回紹介した「旧ザク」に加え、初期型のザクIIである「ザクIIC型」、標準的な「ザクII」、そして高性能な「高機動型ザクII」。また頭部のみ「旧ザク」の「ザクII」という説もある。

 アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のスミス海の戦いではダークグレーの「旧ザク」が登場しており、ガイア、マッシュ、オルテガのそれぞれの装備も別に考えると、実に18機ものザクのバリエーションが黒い三連星関連だけで生まれたことになる。

 それぞれにデザイン的な良さがあり、それぞれに特徴的なエピソードがあるザク指揮官専用機。本記事でピックアップした3機のザク以外の指揮官専用機も、どれも個性的でかっこいい。指揮官専用ザクにハズレ無しである。

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