■UC世界以外でも魔改造「ホスピタルザク」
続いては『機動戦士ガンダムSEED』の外伝作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』から「ホスピタルザクウォーリア」。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「ザクウォーリア」の系列機体だが、なにやら背中に箱状の荷物を3つ背負ったザクである。
真っ白な全身に赤の差し色が入った機体。そのカラーリング同様、背中のコンテナは医療用のもので、3つ合わせることで野戦病院として機能する。どのような場所でも病院を設置することができるという、モビルスーツ全体としても異色の機能を持つ。
「ザクウォーリア」系列ということで、「ザクII」と比べると頭部以外の構造はほぼ別物で、頭部もどちらかというと「マラサイ」に似た形。とはいえザク系の特徴であるモノアイとダクトは残っており、辛うじてザク系だと認識できる。
■もはやアーマードトルーパーに近い「ザク・フリッパー」
パッと見でザクに見えないMSといえば、一番顕著なのがモビルスーツ企画『MSV』で登場した「ザク・フリッパー」だろう。前述した「イリア・パゾム専用ザクIV」は、まだ胴回りが魔改造されているだけという見方もできるし、「ホスピタルザク」はザクウォーリア系の機体なので別作品と捉えることができる。「アプサラス」のようにモビルアーマー化したザクも、カラーリングや肩のトゲトゲにどことなくザクの風貌を感じさせる。
しかし、ザクの特徴である顔部分が別物に変わっていたらどうなるのだろうか。その答えが「ザク・フリッパー」。全身にどことなく面影はあるものの、顔部分はモノアイではなく三つ目。見た目からすると『装甲騎兵ボトムズ』の「アーマードトルーパー」に近い機体である。
実際、「ザク・フリッパー」の改良前である「ザク強行偵察型」と、『装甲騎兵ボトムズ』に登場する機体の中でも特に似ている「スタンディングトータス」を並べてみると分かる。明らかに「スタンディングトータス」寄りなのだ。
とはいえ、「ザク強行偵察型」も、フォルムはザクのものでありながら、モノアイの周りはどちらかというとドム系の印象を受けるなど、オーソドックスな「ザクII」系とは離れたデザインとなっている。
ちなみに、この特徴的な頭部カメラはかなり高性能で、『機動戦士ガンダム MSV-Rジョニー・ライデンの帰還』の「ジャコビアス・ノード専用ゲルググキャノン」にも使われている。ここまでくると機能的な面でも、本体はザクではなくこのカメラとなってしまった感が強い。
以上、ザクに見えない変わり種ザクを3種類紹介した。他にも「ザク50」や『機動戦士ガンダムサンダーボルト』版「パーフェクト・ガンダム」など、ザクに見えないザクが存在するが、アナタはどんなザクを思い浮かべただろうか。