「ポケットザウルス」「かみつきばあちゃん」「ミルキーペン」1980年代の子どもたちに愛された「懐かし文房具」を振り返るの画像
「ポケットザウルス」に「かみつきばあちゃん&じいちゃん」(編集部撮影)
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 新学年に向けて、文房具を新調する人も多いこの季節。小学生のころ、私たちのランドセルには教科書と一緒に「それ、勉強に必要なの?」……と、大人が眉をひそめそうな「文具」がいくつも詰められていた。筆者は小学校の入学祝いに祖母から4面開きの筆箱を買ってもらったが、翌年妹は鉛筆削りや小物入れが"飛び出す"8面開きの「多機能筆箱」だったのが今も悔しい。

 裏面にすごろくやミニゲームのある下敷き、全頁にキャラクターや四コマが印刷されたノート、サイコロ代わりの六面消しゴムにバトル鉛筆などなど、娯楽要素を付加したそれら文具は私たちにとって「宝物」だった。そんな昭和ノスタルジーあふれる80年代文具を、当時の思い出とともにふり返る。

■替芯の三角クジでもらったオマケ消しゴム

 大ヒットした「キン肉マン消しゴム」をはじめ、消しゴムは動物やスーパーカーなど立体物を作るのに適しており、筆箱の中に文房具としてかっこいい・かわいい消しゴムを忍ばせていた人は多いと思う。

 そんな消しゴムの中で、80年代にはお金では買えないヒット作があった。それがuni(三菱鉛筆)の鉛筆やシャーペンの替芯を買うことでクジが引け、当たりが出ることででようやくもらえた「オマケ」消しゴムである。

 入れ歯で噛みつくコミカルな「かみつきばあちゃん消しゴム」、今のフィギュアにも劣らない色や造形の「おでん消しゴム」、たらこや昆布といった具がついたおにぎり型の「こにぎり消しゴム」、どん兵衛や赤いきつねを再現した「カップめん消しゴム」など毎年リニューアルされて登場したこれらのオマケたち。

 筆者は「辞書消しゴム」を持っていたが、今思うと子どものコレクション心をくすぐる楽しいオマケだった。

■恐竜と文具が合体した可愛い相棒「ポケットザウルス」

 バブル景気に沸いた1980年代の日本はまさに「恐竜ブーム」だった。各地で催された恐竜展には多くの来場者が訪れ、1980年には劇場版アニメ『ドラえもん のび太の恐竜』が公開。タカラトミー(旧・トミー)から発売された恐竜・動物型メカ玩具「ゾイド」の大ヒットなど、子どもたちの周りには「恐竜」があふれていたのだ。

 そんな下地があってか、1985年にバンダイより「恐竜型文具」と称された「ポケットザウルス」が発売され人気を集めた。1987年にファミコン用ソフトとして『ポケットザウルス 十王剣の謎』が発売され、そちらのイメージが強いという人も多いかもしれないが、もともとは顔が黒いゴーグル状になっている恐竜キャラをベースにした文房具。

 鉛筆削りがついた「ケズリノザウルス」、パンチで穴を開けられる「アナーケドン」、メジャーがついた「ステゴメジャラス」などさまざまなアイテムが発売され、いずれも文具の機能に連動した恐竜っぽい商品名が付けられていた。

 値段は商品によって差があり、円を描くコンパスの「クルントサウルス」やハサミの「チョキラノドン」のように単純な文具に比べ、ステープラー(ホッチキス)の「ホチキラトプス」はかなり高めな値段。

 その後シリーズとして、ヘアーブラシの「ゴシゴシジャラス」やソーイングセットの「テヌイノザウルス」のように、身の回りの物からちょっとした便利グッズも登場したが、どれも持って歩くのには不便な形態だった。 

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