『ダイの大冒険』『BORUTO』大人になって再読すると“号泣”レベル倍…「親子共闘」に涙腺崩壊するバトル漫画3選の画像
アニメ『ダイの大冒険』(C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (C)SQUARE ENIX CO.,LTD.

 数多くの熱いバトルが描かれてきた少年漫画。仲間たちとの強い絆によって勝ち取る勝利、圧倒的な力を持つ凶悪ボスを相手にした大逆転劇など、激戦を繰り広げたからこそ生まれる感動に、つい涙が止まらなくなってしまう作品もある。

 今回取り上げたいのは、そんなバトル漫画から「父と子」が手を合わせて戦う共闘エピソード。たとえば『ドラゴンボール』のセル編では、孫悟飯のかめはめ波を悟空があの世から支える“親子共闘”のシーンがあるが、大人になって再読した際に10代のときには気がつかなかった「父目線」の感動を覚えたという人は少なくないのではないだろうか。

 父親キャラが息子の成長を間近で見る喜び、子どもだけは絶対に助けたいという気迫。バトル漫画の「親子共闘」シーンにはそれらが詰まっており、ついホロリときてしまう。そこで今回は、読んでいるとつい涙腺が崩壊してしまう「親子共闘」のエピソードをいくつか振り返ってみたい。

■『ダイの大冒険』バランとダイの共闘!

 原作・三条陸氏、作画・稲田浩司氏による『DRAGONQUEST-ダイの大冒険-』(集英社)の親子共闘はかなり熱い。それは、父親のバランがダイの敵として現れたことも大きく関係している。

 ダイは生まれて間もなく捨て子となり、父親の存在を知らない。それが十数年振りに再会すると、ダイは勇者でバランは魔王軍という敵対する関係だった。バランはダイを守るためにあえてダイから離れたという経緯があり、悲しい再会と言える。

 そんな二人に転機が訪れたのがハドラーとの戦いだ。共通の敵であるハドラーを倒すために二人は一時休戦し、共闘をすることに。そして、戦いを通して互いの気持ちを共有することになるが、それは失われた親子関係を取り戻しているかのようで、見ていてワクワクしてしまう展開だった。

 このまま二人が親子に戻れればいいのに……と読者の多くが願ったはずだが、終焉の時を迎える。ハドラーの体内には爆弾が埋め込まれており、バランは爆発の衝撃からダイを守るために全ての力を使い果たしてしまったのだ。泣き崩れるダイにバランが最後の言葉をかける。10代で読んだときもダイ目線として泣ける名シーンだったが、大人になって改めて読むと、当初とは違ってバランに感情移入させられてしまう。

 これまで敵だったバランがダイや人間を守った姿は、せめて父親らしいことを最後に……そんなことを語っているかのようだった。和解したバランとダイの行く末も見たかっただけに、残念な結末である。

  1. 1
  2. 2
  3. 3