漫画には凶悪キャラがいるからこそ、それを取り締まる側のキャラが存在する。そのため、凶悪キャラを幽閉する監獄も犯罪者に見合った“変わった内容”になっていることがある。
そういった監獄は自分たちの都合の良い状況だったり、力を悪用できるようなものなど、普通では考えられない環境であることも少なくない。そして、獄長や署長、看守、指揮官など役職はいろいろあるが、そんなあり得ない監獄を取り締まる側のキャラも普通ではない。今回は、そんな劇的にヤバすぎる監獄を紹介していきたい。
■屈強な海賊も震え上がる!『ONE PIECE』インペルダウン
尾田栄一郎氏による『ONE PIECE』(集英社)には、海賊を収監する巨大な監獄がある。それが海底の大監獄である「インペルダウン」だ。“この世の地獄”とも言われるこの監獄だが、階層は地下6階までとなっていて、ひとつひとつがまるで地獄のような造りとなっている。
地下1階「LEVEL1」は“紅蓮地獄”と呼ばれ、刃物のように鋭い切れ味の葉を持つ剣樹と、踏めば針のように突き刺さる針々草の森に囲まれている。地下2階「LEVEL2」は猛獣に囲まれた“猛獣地獄”、地下3階「LEVEL3」は水も食料もほとんど与えられない“飢餓地獄”。地下4階「LEVEL4」は“焦熱地獄”、地下5階「LEVEL5」は極寒地獄……となっている。
このインペルダウンに幽閉される囚人たちは罪の重さに比例して階ごとに分けられるのだが、レベルが上がるにつれて部屋の過酷度が増していくのだ。
そして、最下層である「LEVEL6」は“無限地獄”と呼ばれるフロアで、終身刑や死刑となるような罪人が収監されている。このフロアの囚人たちには“何もしない”という「無限の退屈」が与えられる。
そんな地獄のようなフロアの造りに加えて、署長や看守もかなり強い。署長のマゼランは凶悪な海賊たちを取り締まるだけあって、その能力は最強クラスに近いと言えるだろう。「ドクドクの実」の能力者である彼は、強力な毒を体内から分泌することで相手を死に至らしめる。
しかもフロアを呑み込むほどの毒を排出できるため、逃れることも難しい。実際にルフィがマゼランの毒に触れただけで死にかけてしまったので、その効果の凄まじさが分かるだろう。
■鬼も哭くほどの過酷さ!『北斗の拳』カサンドラ
原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による『北斗の拳』(集英社)にも、ほかには類を見ないほどの監獄がある。それが拳王が支配下に置く「カサンドラ」で、“鬼の哭く街”という異名でも呼ばれていた。その異名の通り、この監獄に入った鬼や悪魔のような極悪人も、あまりの過酷さに出獄を乞うというほどのヤバさだ。
恐れられている理由は、ウイグル獄長と門番であるフウガとライガにある。カサンドラの門の前に立つ双子のフウガとライガは、カサンドラに入ろうとする侵入者を阻むのだが、この二人は二神風雷拳の使い手で、双子ならではの息の合った攻撃によって相手を切り刻んでしまうのだ。
そして、カサンドラの内部ではウイグルを倒そうと挑戦する者もいるが、彼自身、泰山流双条鞭の使い手なので一筋縄ではいかない。ウイグルが振るう鞭はあまりの速さに目で追うことができないうえに、一度絡め取られるとまるで鋭利な刃物のように切り刻まれてしまう。
そのため挑戦者はことごとく返り討ちにされ、しかも挑戦者だけではなく勝負に無関係の囚人の命まで強制的に賭けられたことで、墓標の数がどんどん増えていった。ほとんどの囚人がウイグルの気まぐれで処刑されてしまうので、怯える毎日でしかない。