1979年にテレビアニメ『機動戦士ガンダム』が放送されて以降、さまざまな作品で多くのファンを魅了してきたガンダムシリーズ。コロナ禍の巣篭もり需要以降、「ガンプラ」がブームになっているが、やはりモビルスーツのかっこよさや美しさは、ファンの間でも鉄板となる話題のひとつだ。
いわゆる「ガンダム」のメインカラーは、ほとんどの場合が青と白。中でも白は、ガンダムの中でも特に強調されているカラーで、アニメやゲームでは「白い奴」「白いモビルスーツが勝つわ」「連邦の白い悪魔」など、白が強調されたセリフが登場する場面は少なくない。そしてそれは主人公サイドのみならず、相手側の機体にとっても同じことで、漆黒の宇宙空間で一際目を引く「白い」モビルスーツには、最新鋭の性能が採用されているケースがほとんどのようだ。
■美しいだけではない、白い「キュベレイ」の高い性能
ガンダム以外で「白い機体」といえば、多くのファンが真っ先に思い浮かべるのが「キュベレイ」ではないだろうか。
『機動戦士Zガンダム』の終盤となる第43話「ハマーンの嘲笑」でハマーン・カーンの駆る機体として初登場したキュベレイは、作中で何度も主人公であるカミーユの乗る「Zガンダム」と戦闘した。キュベレイはモビルアーマー「エルメス」の小型MS化というコンセプトで開発されたモビルスーツで、流線型が特徴の白を基調としたデザイン。ハマーンに似合う、その美しい見た目だけでなく非常に高い性能をもった機体で、カミーユとの戦闘ではほとんどが「キュベレイ」の優勢となっている。
また最終局面ではシロッコの乗る「ジ・O」とクワトロの乗る「百式」と互角以上の戦いを繰り広げた。『機動戦士Zガンダム』のラスボスであり、優れたニュータイプでもあったシロッコの「ジ・O」と戦っても撃墜されていない。
結果『機動戦士Zガンダム』での目立った損傷はカミーユに破壊されたフレキシブル・バインダーのみで、最後まで撃墜されることは無かった。
キュベレイは続編である『機動戦士ガンダムZZ』にも登場し、こちらは主人公であるジュドー・アーシタの最後の敵として立ちはだかる。結果は撃墜されてしまうのだが、キュベレイは『機動戦士ガンダム』での出来事である「一年戦争」の終戦から程なくして開発された機体だ。ほとんど機能向上無しだったにも関わらず『機動戦士ガンダムZZ』作中でも一線級だったりと、かなりの高性能ぶりを発揮している。
ガンダムシリーズ全体としても、弱く見える部分がかなり少なく、『ジオンの系譜』や『スーパーロボット大戦』といったゲーム作品でも、設定されたパラメータは最高レベルにされていることが多い。「白い」キュベレイは間違いなく「強い」機体なのだ。