『機動戦士ガンダム』旧ザクから採用されたジオン軍モビルスーツの矜恃「モノアイ」の謎…ガード部分は邪魔じゃないの?の画像
バンダイのプラモデル「HGUC MS-05BザクI 」(C)創通・サンライズ

 ザクやグフ、ドムなどジオン公国軍の多くのモビルスーツに採用されている「モノアイ」。頭部の目の部分に当たる“単眼”カメラのことで、ジオンのモビルスーツの代名詞ともいえるそのビジュアルにはファンも多いことだろう。ザクⅠA型でその基本部分が完成されると、モノアイは改良を繰り返しながらジオン軍の多くのモビルスーツ、モビルアーマーに採用された。実はこのモノアイ、意外と知られていない謎も多い。今回はそんな「モノアイ」にスポットを当て、紹介していきたい。

■「モノアイ」のガード部は邪魔じゃないの?

 旧ザクやズゴック、ジオングといったジオン軍を象徴するモビルスーツを見て、ふと疑問に感じたことはないだろうか? あのモノアイのガード部分、邪魔じゃないのかと——。

 これらのモビルスーツの特徴として、モノアイの前面を縦に覆っているガード部分がある。精密光学機器であるモノアイを守るための設計なのだろうが、モノアイの視界が大幅に遮られ、どうにも見づらそうだ。だがこれ、心配には及ばなかった。

 モビルスーツの機体の各所には補助カメラが設置されており、パイロットの好みや用途に応じて、頭部からみた映像、コックピットの高さからの映像など変更できるとされる。ザクをはじめとするジオン軍のモビルスーツはモノアイをメインカメラとしているが、極端な話、モノアイが破壊されても補助カメラで代替が可能なのである。

『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』(講談社)によると、MS-14JGゲルググJには、全身21カ所に補助カメラが設置されていたというから驚きだ。

 これはジオン軍のモビルスーツに限った話ではない。『機動戦士ガンダム』第43話「脱出」で、ガンダムはジオングのメガ粒子砲によって頭部を破壊されてしまう。この時、アムロ・レイが言った「たかがメインカメラをやられただけだ!」というセリフは有名だ。ガンダムもまた、補助カメラによって戦闘を継続できたのである。

 さらに、モノアイはただのカメラではなく、光学装置にセンサーを組み合わせたものである。受光部の半導体や計測系のソフトウェアもあり、さまざまな機構によって外界の映像情報を処理しているとされる。以上のことから、モノアイの前面にぶっといガードがあっても視界に問題はないようだ。

■たまにボゥと光る「モノアイ」何のために?

『ガンダム』作品を見ているとたびたびモノアイが光るシーンが登場する。たとえば、『機動戦士ガンダム』の第1話「ガンダム大地に立つ!!」では、サイド7に侵入するザクⅡのモノアイが、ボゥっと光るシーンがある。また『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の第1話「二人だけの戦争」では、高機動試作型ザク(MS−06RD-4)のモノアイが威嚇をするように光るシーンが見られる。

 前出の公式百科事典によると、モノアイが赤い色で光るのは、赤外線系センサーが搭載されているため。そして、モビルスーツの起動時にボゥっと光るのは、モノアイやセンサーがリセットさる際に一定の光量を放つためとみられているという。このことを利用して、対象物を捉える場合にパイロットがセンサー類をリセットし、威嚇として利用することもあるようだ。

 ちなみに『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』の第1話「大蛇はルウムに消えた」では、シャア専用ザクⅡが味方に対し、モノアイの点滅を用いた信号を送り、撤退を促すシーンなども存在する。

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