井上雄彦氏のバスケットボール漫画『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』。１２月３日から公開となった映画『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』は国内だけでなくアジア各国でも大ヒットを記録しており、１９９６年の連載終了から数十年ぶりにコミックス全巻を読み返しているという人も多いのではないだろうか。
各高校の選手たちが見せるハイレベルなプレーが、読者を楽しませてくれる同作。特にシュートシーンは試合の華。漫画タイトルにもなっている「スラムダンク」はもちろんだが、作中でも何度も試合の行方を大きく左右した「３ポイントシュート」も欠かせない存在だ。たとえば、湘北高校の木暮公延が陵南高校戦で決めた３ポイントは、平凡な脇役キャラとも思える彼が作り出した同作屈指の名シーンのひとつだろう。
湘北高校の三井寿、海南大附属高校の神宗一郎など、『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』では華麗に３ポイントを決める名シューターが何人も登場したが、意外な人物がシュートを決めて読者を驚かせた場面は少なくない。そこで今回は、３ポイントシュートが光った意外なプレイヤーを振り返りたい。
■シュート面では神を除いてチームNo.1だった宮益
まずは海南大附属高校の宮益義範。初心者として入部していることや、身長１６０ｃｍ４２ｋｇと小柄で華奢な体型なことで桜木花道にも「おのれ海南!! この天才にザコを!!」と舐められ、“神奈川の王者”海南でベンチ入りしている事実さえも意外に見えてしまうキャラクターだ。
しかし実際には、厳しいことで知られる海南の練習を３年間耐え抜き、努力を続けたすごい選手。部員からの信頼も厚く、神には「努力してましたから…宮さんは」と安心してプレーを見守られ、牧にも「海南のユニフォームをとった男だぞ」と言わしめるほど。
実際に湘北戦では桜木の弱点をつくために途中出場で起用され、ディフェンスで対峙した桜木を完封。オフェンスでは、身体能力の低さや体型により、湘北から「１５番はいい！牧につけ！」と甘く見られてしまうが、フリーになった直後、見事な３ポイントシュートを決めてみせた。
限られた出場時間の中で、９得点を記録し、見事勝利に貢献した宮益。実は、シュート面では神を除けばチームNｏ.１と称されるほどの実力をもっている。人を見かけで判断してはいけないと改めて実感できる、読者を驚かせたキャラクターといえるだろう。
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