USJ「スーパー・ニンテンドー・ワールド」はゲームにまったく興味がない人でも楽しめるのか検証してみたの画像
『スーパー・ニンテンドー・ワールド』UNIVERSALSTUDIOS JAPAN(任天堂公式サイトより)

 コロナ禍まっただなかの2021年3月18日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープンした。

 当時は大阪の緊急事態宣言発令やUSJの入場規制で行きづらい状態が続いたが、行動制限が解除されてきた2022年後半からは、連日国内外から多くの人が訪れていると聞く。2024年には「ドンキーコング」のエリアも追加されるとあって、これからが本番のようだ。

 ただ、ゲームの世界をテーマとしたエリアなだけに、ゲームに興味がない人にとっては行こうかどうかは迷うところではないだろうか。そこで、USJは大好きだが、ゲームにはまったく興味のない筆者が実際に行ってみて、ゲーム好きでなくても「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を楽しめるか検証してみた。

■世界観は脳神経レベルで楽しめる

 非日常感を楽しむのはテーマパークの醍醐味の一つだが、その点このエリアは申し分ない。まず入口が土管のトンネルになっていて、それがマリオワールドにつながっている、という設定。

 “トンネルを抜けたらゲームの国であった”という小説の書き出しのような演出がにくい。それに、ゲームの知識がない筆者でもマリオが土管を通ってワープすることくらいは知っているので、「あの土管や!」とちょっとワクワクした。

 ワープした先は、360度ゲームの世界。地層がむき出しになった丘にハリボテの木、怖い顔して落ちてくる石、土管から出て首を振っているヤバイ造詣の花、やたらウロウロするカメとキノコ、そして耳馴染みのある「♪テレッテッテレッテッ、テン!」というあのBGMが大音量でかかっている。目や耳に入るものすべてがカラフルで、アバンギャルドな異世界にワープした気分だ。

 なんだかわからないけど、むちゃくちゃワクワクした。刺激過多でハイになっていたのかもしれない。それがゲームの世界の魅力でもあるのだろう。刺激に弱い人でなければ、知識や興味と関係なく、ただ脳神経系の反応に任せておけば楽しめると思う。

■「パワーアップバンド」あればあったで楽しめる

 買うか買わないかで意見が分かれるのが「パワーアップバンド」ではないだろうか。これは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式アプリと連携させることで、さまざまな楽しみ方ができるようになるというアイテムだ。

 たとえば、腕につけた状態でエリア内のハテナブロックを叩くと、“チャリーン”と音がしてコインが貯まる。ほかにも「マリオカート」のアトラクションやミニゲームなどで貯めたコインを記録し、入場者同士で競うことができる。ただ、お値段は2023年2月現在で4200円。ゲームに興味がない人間にとっては悩ましい価格だ。

 とはいえ、せっかくの機会なので筆者は購入してみたのだが、これが意外に面白い。ブロックを叩くと“チャリーン”と音がするのが妙に中毒性があって、むやみやたらに叩いてしまう。幼い子どもが音の出る玩具を叩きまくってしまう感じと似ているかもしれない。そのうえコインも貯まるから、ときどき枚数を確認してはニヤニヤしてしまった。

 ただ絶対に必要かというと、ゲーム好きでなければ必須ではないと思う。それでも、隅から隅まで楽しみたい人や童心に帰りたい人にとっては、決して高い買い物ではないだろう。

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