『HUNTER×HUNTER』作中では見られなかった「夢の対戦カード」を妄想レビュー!冨樫ワールドの真の面白さとはの画像
アニメ『HUNTER×HUNTER 幻影旅団編』DVD より

「HUNTER×HUNTER連載再開」というファンにとってうれしいニュースが飛び込んできたのは2022年10月のことだった。約4年間の休載期間を経ての連載再開と時期を前後する形で東京・森アーツセンターギャラリーにて開催された「冨樫義博展-PUZZLE-」は大盛況のうちに今年1月9日に幕を閉じ、順次大阪・福岡へ巡回予定と、時代はまさに「冨樫義博ワールド再燃!」といった様相を見せている。

 連載再開はしたものの、現在『週刊少年ジャンプ』本誌では次回掲載号が未定。毎週月曜日にジャンプを購入し、まずは次回予告ページを開いて『HUNTER×HUNTER』の名前を探すという熱心なファンも少なくないのではないかと思う。

 そんな連載再開に向け、これまでの複雑な物語を再度読み返すことが筆者の日課となっているが、ファンであれば読み進めるうちについ妄想してしまうのが、作中にはない数々の魅力的な組み合わせによる「対戦カード」ではないだろうか。そこで今回は、ハンター好きが夢見るであろう対戦を、いくつか理想の戦いとともに紹介する。

■「イルミ対ヒソカ」の“ゼロ”エピソードでの戦い

 作中でも現在進行形で非常に重要な位置づけのキャラクターであることは間違いないイルミとヒソカ。ストーリー序盤の「ハンター試験編」からすでに知り合いであるかのような描写があり、2人の出会いのきっかけが気になっている人もいるはず。

 ひとつの想像に過ぎないが、『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターの中でも群を抜いて無慈悲な戦闘をするイメージが強いこの2人が、そもそも出会いの時点で一戦を交えている可能性は否定できないのではないかと筆者は考えている。2人がピリつきながらも常に冷静にビジネスライクな関係を築けるのは、お互いの強さや戦闘におけるセンスや能力を認め合っているからこそ成り立つ阿吽の呼吸であるような気がしてならないのだ。

 イルミもヒソカもかなり重要なキャラクターであるがゆえに、どちらも読者に与える印象は強く人気も高い。だがよくよく考えてみると、実はまだ作中でしっかりとしたイルミの戦闘シーンが描かれていないことに気づかされるだろう。

 イルミの能力が明らかになったのは、キルアの頭に針を刺していたときの「洗脳」と、「選挙編」にてキルアとアルカを追っていたときに念で精製したと考えられる針を対象者の頭に刺し「針人間として自らの支配下に置いた」という2つのシーンぐらい。つまり、まだ戦闘におけるイルミの本当の能力や強さなどははっきりとしておらず、そこに「夢の対戦カード」を妄想する面白さがある。

 そこで、イルミの戦闘スタイルがわからないなりに、ヒソカとの戦闘シーンを想像してみたい。

 そもそもヒソカは1対1での戦いが多く描写されていて、戦闘シーンのイメージが非常に湧きやすいキャラクターである。さらにヒソカの念系統は「変化系」なので、念を込めた針を具現化して戦うであろうイルミとの対戦は、かなりトリッキーなものになるのではないかと予想している。どう転んでもガチガチの強化系肉弾戦スタイルにはならないだろうと思われるだけに、作中でもかなり物議をかもした「ヒソカ対クロロ戦」に匹敵するくらい、頭を使うクセの強い戦闘になることを、この2人にはどうしても期待してしまう。

 序盤に描かれた2人が既知の仲であるとわかる描写や、現在進行形で見えてくるブラックホエール号内での展開において、実際にかなり可能性のある対戦カードなのではないだろうか。

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