『ONE PIECE』ナミに『ブラック・ジャック』のおばあちゃんも…“深いワケ”があってお金大好きになった漫画やアニメの“守銭奴キャラ”3選の画像
『ONE PIECE』LOG COLLECTION "NAMI" [DVD](エイベックス・ピクチャーズ)

 生きていくうえで欠かせない“お金”。大切なものだとは誰もが知っているだろうが、その思いが度を越すと、“金の亡者”、“守銭奴”などと言われ、笑われてしまうものだ。

 人がお金に執着する理由はさまざまあるだろうが、フィクションに登場する“守銭奴キャラ”の場合、重い過去や事情があるというケースが少なくない(もちろん現実世界でもそうかもしれない)。

 今回は数多くいる守銭奴キャラのなかから、そんな深いワケを抱えている者をピックアップして紹介していきたい。

■きっかけは大切な故郷を救うため…『ONE PIECE』ナミ

 尾田栄一郎氏による『ONE PIECE』の主要キャラであるナミは、“お金とみかん”が好きな守銭奴キャラ。

 基本はしっかり者で常識人の彼女だが、お金やお宝が絡むと途端に人が変わったようになる。仲間たちから日常的にお金を巻き上げたり、宝石で懐柔されてしまうチョロい一面を見せたり、冗談でも分け前のほとんどを独り占めしようとするそぶりを見せたり……と、とんでもない言動をとっては周りからツッコまれてしまうこともしばしばだ。

 ナミが金の亡者になったのには、彼女の育った環境が深くかかわっている。戦災孤児だったナミは1歳の頃、似たような境遇のノジコとともに軍人のベルメールに拾われた。そしてベルメールが海軍を退役してからは、彼女の故郷であるココヤシ村で母娘三人の暮らしを送ることに。村での生活はささやかではあるが幸福なものだった。

 しかし彼女の平穏な日々は、魚人海賊団「アーロン一味」による襲撃によって粉々に砕かれる。彼らは子どもも含めた村人全員に法外な貢ぎ金を要求し、払えない場合は処刑すると脅迫。ベルメールはなんとかかき集めたお金をナミとノジコのぶんとして差し出し、自分はその場で殺されてしまったのだ。

 測量士としての才能を持っていたナミは、その後アーロン一味に連れ去られ海図を描かされ続けることに。ただし彼女はその際、1億ベリーという大金で村を買い戻すという約束をとりつけていた。つまり、ナミは自分の故郷を救うため、なんとしてでもお金を稼ぐ必要があったのだ。

 貧しさのせいで育ての親を失い、大好きな村の皆を救うために大金を稼がなければならなかったナミ。貯めたお金を村にポンと寄付したり、友人を救うために全財産を使おうとしたりと、単なるケチではないのにはその過去も関係しているのだろう。

■すべては息子のため…『ブラック・ジャック』おばあちゃん

 個人的に、“守銭奴”というワードを聞いたとき真っ先に思い浮かべてしまうのは、手塚治虫氏による『ブラック・ジャック』の「おばあちゃん」というエピソードだ。

 このエピソードには、とんでもなくがめつくケチなおばあちゃんが登場する。彼女は嫁に対し留守番をしたからといって“留守番代”を要求したり、息子がウナギを食べに行こうかと誘うと「いかないよ そのかわりウナ丼代おくれよ」と答えたりと、すぐにお金をもらおうとする。

 しかも息子が調べたところによると、お金はほとんど残っておらず貯金もわずかばかりらしい。宗教団体に寄付でもしているのかと疑う息子に対し、嫁はおばあちゃんがひとりでどこかに出かけるのをときどき見ると言うが……。

 姑嫁がお金をめぐって喧嘩ばかりしている姿に、ついに息子はおばあちゃんが出かけたところを尾行し、真相を確かめることに。そこで彼が知ったのは、おばあちゃんが甚大という医師に治療費を払い続けているということだった。

 実は息子は赤ん坊のころ“ニーマン・ピック病”という難病にかかり、甚大に命を救われていた。治療費は千二百万だったが、おばあちゃん――彼の母親は、わが子が助かるならと「一生かかってもどんなことをしてもお払いします」と約束。そして働けるうちは必死で働いてお金を返し、その後はお小遣いをせっせと貯め、甚大が亡くなってからもその妻に律儀に返済を続けていたのだ。

 自分を想う母の心に胸を打たれた息子は、「おかあさん!! ぼくのおかあさん………!!」と涙を流す。その後、ぐっとくるラストが待ち構えている本作、ぜひ実際に本編を読んで感動を味わっていただきたい。ブラック・ジャックが話にどう絡んでくるかも、注目ポイントである。

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