『機動戦士ガンダム』の主人公機RX-78ガンダムは、パイロットであるアムロ・レイの技術も相まって、言うまでもなく一年戦争で獅子奮迅の活躍を見せた。そんな輝かしい戦績の影にかくれがちだが、ガンキャノンとガンタンクもまた同じRXシリーズであり、激しい戦争を戦い抜いた名機である。今回はガンキャノンに着目し、個人的にカッコいいと思った戦闘シーンを3つ紹介したい。
■まさかのアムロ搭乗で頼りがいのある機体に
『機動戦士ガンダム』のTVシリーズ第16話「セイラ出撃」では、セイラがガンダムで無許可出撃を行った結果、アムロがガンキャノンに乗って戦闘を行うという珍しい場面が見られた。これまでシミュレーションしかやっていなかったセイラは当然、ガンダムをまともに動かせるわけがなく、ランバ・ラルの駆るグフにいとも簡単に追い込まれてしまう。
態勢を崩され、回避できなくなったところをマシンガンで狙われ、絶体絶命のピンチに陥ったセイラ。そこへ現れたのがアムロが乗ったガンキャノンだった。不意を突いてグフにキャノン砲を浴びせ、セイラはかろうじて難を逃れる。アムロは乗り慣れていないはずのガンキャノンを巧みに操縦し、グフのヒート・ロッドをかわして反撃。その後、ザクのクラッカーによるけん制で生じた隙をつかれマシンガンを撃ち込まれるが、堅い装甲で耐え、キャノン砲で返り討ちにした。
さらに、ラルの命令で撤退しようとしたコズン搭乗のザクの前に立ちはだかると、「よくもー!」と右ストレートを頭部に食らわせ、続けざまに左足のローキックという鮮やかなコンビネーションを披露する。動けなくなったザクを引きずるガンキャノンのカッコよさを一度は見てほしいものだ。
それにしても、パイロットがアムロに代わっただけで、ガンキャノンがこんなにも頼りがいのある機体になってしまうのかと感心した人も多いのではないだろうか。
■ア・バオア・クー攻防戦で見せた最後の一撃
TVシリーズの第42話、43話でカイ・シデンが見せたガンキャノンの戦闘シーンもまた、シビれるほどカッコいいシーンなので紹介したい。
ア・バオア・クー攻防戦。ガンキャノンはジオン軍の防衛網を突破するために出撃し、弾幕をかいくぐりながらザクを2機撃破する。さらに基地の入口にいち早く気づいて破壊し、ア・バオア・クー潜入ルートを作ることに成功した。
その後、エンジンが破壊されたホワイトベースを防衛するため、ハヤトが乗るガンタンクと戦っていたが、数で勝るジオン軍に押されてしまい、ガンタンクは撃墜されてしまう。ガンキャノンもまた、ドムを撃破した隙をつかれ、ザクのバズーカによって右足を破壊されてしまった。
右足を破壊されたことでバランスが取れなくなり、崩れ落ちるガンキャノンだが、その瞬間とっさに右肩のキャノン砲を使ってザクに最後の一撃を放ち、見事に撃破したのだ。
当初は成り行きでパイロットを務めていたカイだが、数々の戦いを生き抜いてきた凄腕のパイロットとしての姿を見せてくれたシーンである。