■『テニプリ』や『東リベ』にも…まだまだいる中学生らしくないキャラたち
そして、スポーツものの作品の中で「とても中学生には見えない」のが許斐剛氏による『テニスの王子様』のキャラクターたち。とくに青春学園部長の手塚国光や氷帝学園部長の跡部景吾、立海大附属副部長の真田弦一郎らは、見た目もまったくもって中学生らしくない。
なかでも跡部は跡部財閥の御曹司であり、自称「王様（キング）」の名にふさわしい唯我独尊のカリスマぶりを見せている。好きな食べ物はローストビーフヨークシャープティング添えに紅茶のプリンス・オブ・ウェールズ、好きな本はシェイクスピアの戯曲にトールキンの著作、日課は風呂あがりにノンアルコールのシャンパンを飲むことと、中学生離れした高貴な日常を過ごしているようだ。
また跡部には熱狂的な女性ファンが多く、『テニプリ』恒例バレンタインのチョコレートの数も毎年数千個が届くという。漫画のキャラながら、つい作中のキャラクター同様に「跡部様」と呼びたくなってしまう。
最後は２０２３年１月から「聖夜決戦編」のアニメが開始した、和久井健氏の『東京リベンジャーズ』。暴走族チーム同士の抗争が描かれる作品だけに、マイキーこと佐野万次郎やドラケンこと龍宮寺堅らはどこか冷めているようにも見える冷静さを持っている。数々のバイオレンスな抗争の経験が彼らを大人にしたのだろうか。彼らには中学生らしい幸せを手に入れてほしいと願ってしまう。
いずれも、思わず「人生何周目？」とツッコんでしまいそうな中学生に見えなさすぎるキャラクターたち。彼らが年齢よりも大人びて生きざるをえなかった経緯を考えると、少し胸が痛んでしまう。
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