『シャイニングシリーズ』に『ファンタシースター』も…当時大人もハマった“メガドライブの傑作RPGゲーム”3選の画像
メガドライブ(セガ・エンタープライゼス)

 時代の先端を進んでいた「16ビットゲーム機」。その名の通り16ビットCPUを搭載したゲーム機のことを指すが、そのなかのひとつ、1988年10月に発売された「メガドライブ」には、子どもだけでなく大人もハマったものだ。

 そんなメガドライブには、名作中の名作といえる傑作RPGがある。一般的な認知度では『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズに劣るかもしれないが、メガドライブファンならきっと知っているであろう、懐かしい“傑作RPG”を振り返ってみよう。

■アニメーションが迫力だった名作『シャイニング&ザ・ダクネス』

 まずは、1991年に発売された『シャイニング&ザ・ダクネス』だ。この作品は『シャイニング・シリーズ』の第1作目となる。

 3DダンジョンのRPGで、行方不明となった王女と護衛の騎士(主人公の父)を新米戦士の主人公が探すというストーリー。なぜかおとぎ話に出てくるような妖精風の老人が案内役となり、プレイヤーの精神を物語のなかにいる主人公の体へ転送するという設定だった。

 王国と町、そしてダンジョンと3つのフィールドがあり、まずは王宮で話を聞いて町で装備を整え、ダンジョンに入る。最初は一人なのだが、ホビット族とエルフ族の仲間とともに3人パーティーで進むようになる。

 グラフィックはすでにファミコンとの比ではない。そしてBGMも秀逸で心躍ったものだ。

 魔法の設定も良かったな。それぞれレベルがあり、たとえば回復魔法の「ヒール」はレベルが4段階あるので、キャラのレベルが上がれば「ヒール」のレベルが上がる。MPの消費は大きくなるものの回復量も増えていき、そして、場面に応じて使用するレベルの量を変えられるのだ。

 ドラクエなら「ホイミ」→「ベホイミ」→「ベホマ」→「ベホマラー」→「ベホマズン」と続くが、魔法が増えるとステータスが見づらくなりやすい。その点、この作品は魔法の名前をそれほど覚えなくていいし、ステータスもすっきりしていた。

 町の人たちもユニークだった。いちいちずっこける商人や、呼び鈴を鳴らすと颯爽と登場する酒場の娘……など、いやはや懐かしい。ダンジョンも行けるエリアがどんどん広がっていき、終盤前で最終ボスが判明するのだが、まさかの酒場に登場したりも!(って覚えている人はいるだろうか)

 とにかく面白かったな……また遊びたいぞ。

■シミュレーションRPG名作!『シャイニング・フォース 神々の遺産』

 続いて『シャイニング・シリーズ』第2作目の『シャイニング・フォース 神々の遺産』だ。前作のスタッフがそのまま引き継いでおり、時系列は前作よりも古い時代の設定になっている。

 前作は3DダンジョンRPGなのだが、今作はシミュレーションRPGとシステムはまったく異なっている。“続編”としながらも全然違う設定なのが、素晴らしい発想だと思う。

 今作もBGMが素晴らしく、そしてまたもやおとぎ話の設定で始まり、今度は老人ではなくてエルフの娘が案内人となっていた。そして転送された先では、王国の危機を救うために立ち上がる“光の軍勢”「シャイニング・フォース」を率いる主人公となって戦う。

 カッコいい設定とはいえ、いきなり仲間が増えて6人パーティーでのスタートだ。『ドラクエ』や『FF』で慣れていたこともあって、この人数に驚いた人もいるだろう。

 戦闘は素早さのステータスが高い順に、敵味方のキャラがヘックス上を移動する。もちろん、肉弾戦が得意なキャラは接近戦となり、槍を投げて弓矢や魔法を武器とするキャラは遠距離戦が主軸となる。

 敵を囲むように移動しながら攻撃するのに頭を使うのだが、前作とまったく違った楽しみ方ができる。ただ、アニメーションや移動のシーンを毎回見ていると、バトル時間が長く感じてしまったな。

 しかも、そのあとも仲間は増えていき、最大で12人で戦うことに。大人数すぎて中盤あたりで面倒に感じることもあったな……。それでもストーリーやキャラの魅力などは面白く、名作と呼ぶにふさわしいものであったと思う。

■至高の名作!メガドライブの最高傑作ともいえるRPG『ファンタシースター 千年紀の終わりに』

 最後は、1993年に発売された『ファンタシースター 千年紀の終わりに』だ。王道の2DRPGなのだが、いまだにメガドライブ史上の最高傑作として多くのランキングサイトで高評価をされている。実際に素晴らしいソフトであり、メガドライブファンの筆者も上記2作品と比較してもまったく遜色ないゲームだったと思う。

 ナンバリング的には4作目にあたるシリーズ最終作品で、重厚なストーリーと綺麗なグラフィックとアニメーションは秀逸だ。そして、漫画のコマ割りのようなイベントシーンの演出もとにかく斬新だった。

 当時は『ドラクエV』と『FFV』が発売されたあとだったので、スーパーファミコンが全盛期ともいえる伸びを見せていたものだ。それでも筆者をはじめとしたメガドライブファンはこの作品を心から待ちわびており、現代のようにSNSがあれば称賛の嵐を拡散していたに違いない。

 特技とテクニック、マジック、そしてコンビネーションバトルのアイデア、そして“マクロ”というボタン操作を短縮できる機能はまるでエクセルか?と言いたくなるほど斬新だったな。本当に素晴らしいゲームで、何度も遊んだ記憶が蘇ってくるぞ。

 

 さて、ここで紹介した3作品は、メガドライブファンなら誰もが納得してくれるのではないだろうか。もちろん、傑作RPGはほかにもあるので推したいソフトは人それぞれ違うだろう。
 それにしてもスーファミと同じ土俵で勝負していたら……と考えてしまうが、それは止めておこう。やはりメガドライブのセガの制作陣が結集したからこそできた名作たちであることは間違いない。