『キン肉マン』「マッスル・ドッキング」に「地獄のコンビネーション」熱い友情に涙した…感動のタッグ技3選の画像
『学研の図鑑 キン肉マン「技」』初回限定ケース版 (C)Gakken

 1979年に連載を開始した、ゆでたまごによる『キン肉マン』(集英社)は、主人公のキン肉マンことキン肉スグルたち「超人」が活躍するプロレスバトル漫画。2度にわたりアニメ化されキン消し(キン肉マン消しゴム)ブームを巻き起こすなど、当時の少年たちから圧倒的な人気を獲得。スピンオフ作品などを経て現在も『週刊プレイボーイ』で続編シリーズが連載されるロングランシリーズだ。

「夢の超人タッグ編」を始め、超人たちが手を組んで戦う熱い展開も同作の醍醐味で、超人たちによる夢の合体技の数々に、ストーリーや勝負の行方と同じくらい胸躍らされたものだ。

 昨年9月には、そんな魅力的なタッグ技を含む『キン肉マン』に登場する1400種にも及ぶ技を解説した書籍『図鑑 キン肉マン「技」』(学研)が発売され話題に。その名の通り「学研の図鑑」の体裁に則った図鑑形式で、漠然とイメージしていた技の設定が事細かに記載されている。

 そこで今回は、そんな『キン肉マン』の中から思い出に残るタッグ技と、その使い手であるコンビが繰り広げた熱いエピソードを振り返りたい。

■戦いの中で友情に目覚めた「はぐれ悪魔超人コンビ」

 最初に紹介するのは、絶妙なコンビネーションでマッスル・ブラザーズを苦しめた、アシュラマンとサンシャインのはぐれ悪魔超人コンビだ。

 宇宙超人タッグトーナメントで正義超人たちへの復讐を果たすべく手を組んだ2人は、まず手始めにビッグ・ボンバーズを瞬殺し出場権を奪い取ると、1回戦で互いに因縁のあるテリーマンとジェロニモのニュー・マシンガンズと激突。一時は敗北寸前まで追い込まれるも、悪魔超人らしくアシュラマンがジェロニモを人質に取ってテリーマンをギブアップさせ勝利を収めた。そして、準決勝で対決したのがキン肉マンとテリーマン扮するキン肉マングレートによるマッスル・ブラザーズだった。

 そんなはぐれ悪魔超人コンビの代表的なタッグ技が、パート1からパート4まである「地獄のコンビネーション」。パート1は、1人が相手をロメロ・スペシャルで固めて吊り上げ、もう1人は空中で相手をロメロ・スペシャルで固めたまま落下し、相手の胸部同士を激突させる凶悪な技だ。相手の顔を挟み込むように同時にドロップキックを放つパート2、2人がかりで相手の脳天を天井に突き刺すパート3、サンシャインの胸の呪いのローラーを高速回転させ相手目がけてアシュラマンを射出するパート4・阿修羅火玉弾と、バリエーションに富んでいる。

 だが、どんな困難もその友情で乗り越えてくるマッスル・ブラザーズの前に、はぐれ悪魔超人コンビは劣勢を強いられる。そこでアシュラマンは、テリーマンもろともサンシャインの呪いのローラーに巻き込まれる覚悟で突っ込んでいく。そのままなら2人とも命を落としてしまうと思われたその瞬間、サンシャインがローラーの回転を止める。戦いの中でマッスル・ブラザーズの友情に感化され、勝利よりも戦友アシュラマンを助けることを選んだのだ。

 このときサンシャインが発した「悪魔にだって友情はあるんだーっ」という言葉に対し、アシュラマンが「ば…ばかやろう~っ」と言葉では叱りながらも3つの面すべてから涙を流すシーンは、『キン肉マン』でも屈指の名場面だろう。

 最後にはマッスル・ブラザーズのタッグ技「マッスル・ドッキング」を受けて敗北するが、この一戦をきっかけに彼らは正義の道を歩んでいく。息の合った必殺技と、馴れ合いは無用のはずの悪魔らしからぬ友情を見せてくれた名タッグチームだ。

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