■『シティーハンター』冴羽リョウのミニクーパー1275S
『シティーハンター』の主人公、冴羽リョウの愛車もかなり珍しい。それが「モーリス·ミニクーパー1275S Mk.1」だ。
真っ赤なボディでコンパクトな見た目は可愛らしいが、1959年から生産された初期型のミニクーパーをベースにエンジン排気量を1275ccまでアップし、最高出力75馬力を叩き出す準レーシングユニットが搭載されており、ルックスとは裏腹に力強い走りで、劇中でもたびたびカーチェイスを演じていたことも印象深い。まさに趣味と実用を兼ねた車で、リョウのトレードマークとも言え、最終回まで乗り続けていた。
1960年代に生産された旧車なので希少性から価格が上昇して、現在では300万円くらいから、状態によっては700万円ほどで取引されている。旧車としては手が出せないというほどの値段ではないが、掛かる手間やコンパクトであるがゆえの居住性の悪さを考えるとよほど好きでないと難しいかもしれない。
■『ルパン三世』ルパンのフィアット500
見た目が可愛らしい車といえば、『ルパン三世』にも登場している。それがルパンの愛車のフィアット500だ。ルパンはシリーズによって多数の車を乗り分けていて、この車もTV第1シリーズから登場しているが、特に『カリオストロの城』での印象が強く、ルパンを代表する車と言える。
ルパンが乗っているのは正式には「フィアットNUOVA500」といって、1950年代の旧車。そのため希少価値が高そうにも思えるが、元々大衆車であったこともあり相場は150万円前後と他の旧車と比較するとお手頃な価格になっている。しかし、やはりそこは60年以上前のものなので維持が難しいのは言うまでもなく、復刻版のフィアット500が販売されているので、旧車より割高ではあるものの実際に乗るのはそちらをお勧めしたい。
■『こち亀』中川のフェラーリF40
最後は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の中川圭一の愛車のひとつ「フェラーリF40」。今回紹介した車の中では群を抜く、とびきりの高級車だ。
このモデルは1987年にフェラーリの創業40周年を記念して作られたもので、当時の新車販売価格は驚きの4650万円。ちょうど日本国内ではバブル期だったことも手伝って2億5000万円以上の値が付いたこともあり、中古車価格が高騰している昨今ではさらに最高値を更新して3億円前後のこともあるというから驚きだ。今もなお世界中のカーマニアの垂涎の的であるのも理解できる。
また、連載初期の頃の中川は、スーパーカーブームの代表的な車として知られる「ランボルギーニ カウンタックLP400」に乗っていた。こちらもオークションでは1億円で落札されるほどの高級車だ。余談だが、特徴的な開閉方式のドアはよく「ガルウイング」と形容されるが実はこれは間違いで、正確には「シザー(ズ)ドア」と呼ばれるものだ。
いずれにせよ、世界有数の財閥の御曹司で並外れた財力を持つ中川だからこそ、走るマンションのような価格の車を平然と乗りこなすことができるのだろう。
アニメキャラが乗る愛車が実際に存在する車だと知ると、値段も含めて気になってしまう。そして、そのほとんどが希少な旧車であるため高額で取引されていることが多い。また、仮に入手できたとしても、旧車であるがゆえに扱いが難しく、維持費もかさんでしまうことは想像に難くない。簡単には持つことができなさそうな車だからこそ、現実離れしたアニメキャラのイメージに相応しい愛車と言えるのかもしれない。