小・中学生を中心に人気の少女漫画雑誌『りぼん』。1955年に集英社から創刊された本誌は2015年には60周年を迎え、今もなお“りぼんっ子”たちの心を掴んで離さない。
1993年末、少女漫画というジャンルでは史上初の発行部数255万部を記録した。『天使なんかじゃない』や『ママレード・ボーイ』など、歴代の名作たちが名を連ねたこの時代は“黄金時代”と評されている。
かつて黄金時代に“りぼんっ子”だった女子たちはすっかり大人になっているが、当時を思い返せば懐かしい思い出がたくさんあるだろう。そこで今回は、黄金時代の『りぼん』にまつわる思い出を、当時を振り返りながら紹介していこう。
■発売日にはお小遣いを握りしめて買いに走った
1994年当時、『りぼん』の販売価格は400円ほどだった。『りぼん』のターゲットである小・中学生にとっては決して安い金額ではなかったが、毎月のお小遣いを握りしめて発売日には近所の本屋へ走ったという人も多いだろう。
そのころの少女漫画雑誌といえば、『りぼん』、『なかよし』(講談社)、『ちゃお』(小学館)が人気だった。
当時、“りぼん派”や“なかよし派”などお気に入りの少女漫画雑誌があった女子たち。すべての雑誌を購入するには金銭的な負担が大きいということで、毎月発売される新刊を分担して購入し、兄弟や友達同士で貸し借りをして3雑誌を網羅するという女子も多かったようだ。
■人気作品の豪華な付録はもったいなくて使えなかった
当時、少女漫画雑誌の付録は豪華なものが多く、1個や2個だけではなく、ときには12個なんて月もあるほど盛りだくさんの内容だった。
大好きな作品が描かれているレターセットやシール、ティッシュなど、可愛らしい付録の数々。もったいなくて使えなかった……なんて“りぼんっ子”も多かったのではないだろうか。
近年では、2016年に『りぼん』の付録にフォーカスを当てた企画展『LOVE りぼん FUROKU 250万乙女集合!りぼんのふろく展』が開催され、戦後から黄金時代にいたるまでの付録の歴史を紹介しながら、約1000点の懐かしの付録が展示された。
当時の“りぼんっ子”たちは自分が実際に持っていた付録など、思い出の品々に目を輝かせて楽しんでいたようだ。
かくいう筆者も、友人との手紙交換に『りぼん』の付録でついてきたレターセットやシールを使っていた。こうして懐かしい付録の数々を目にすると、お気に入りのシールは特別なときにとっておくなど大切に使っていた当時を思い出し、ほっこりと思い出に浸ることができる。