『機動戦士ガンダム』エースだけじゃなかった…アムロを苦戦させたジオンの機体とパイロットたちの画像
バンダイのプラモデル『1/550 ビグロ』パッケージより

 1979年からテレビ放送がはじまったアニメ『機動戦士ガンダム』。当サイトでは過去に「歴代ガンダムの最強パイロット」についてアンケート調査を行い、その際にアムロ・レイがぶっちぎりの1位を獲得。この結果が示す通り、全シリーズを振り返ってみてもアムロの操縦技術は人並み外れたものとして描かれていたが、一年戦争時にはジオンのエースパイロット以外にもアムロを追い詰めた機体とパイロットがいた。今回はそんな機体及びパイロットたちを紹介していこう。

■ファーストガンダムの名エピソード「時限爆弾搭載ワッパ隊」

 一年戦争でアムロとガンダムを追い詰めたキャラクターといえば、避けて通れないのがテレビ版『機動戦士ガンダム』第14話「時間よ、とまれ」に登場したクワラン曹長たちだろう。

 このエピソードは、アムロがザクとの戦闘に気を取られている隙をつき、若いジオン兵であるクワランたちがガンダムに無数の時限爆弾をつけるという展開。劇場版では丸っとカットされているが、テレビ版で唯一「脚本 富野喜幸」とクレジットされており、地味ながらも印象深い回としてファンに人気があるエピソードだ。

 この作戦を実行したのはジオンの若者であるクワランたち。彼らはろくな武器も持っていなかったが、小型の飛空艇・ワッパ数機でハエのようにガンダムに近づくと、数個の爆弾を取り付けることに成功。そしてそのうちの一個が爆発し、シールドを半壊させたのだった。

 アムロは責任を感じて、いつ爆発するかも分からない時限爆弾を自ら撤去することに。この時限爆弾の弱点は、起爆スイッチが搭載されておらず爆発まで30分要すること。結果的にすべての爆弾を処理したアムロだったが、冷や汗を流し命からがらで、仕掛けたクワランたちもその姿を遠くから緊迫した表情で見守っていた。リモコンのない爆弾だったため作戦は失敗したが、クワランこそあと一歩のところまでアムロを追い詰めたパイロットといって間違いはないだろう。

 14話は地球で暮らす貧しいジオン兵にスポットが当てられた回で、富野監督自らが絵コンテ(斧谷稔名義)も担当した、ファンの間では指折りの名エピソードとされている。2022年6月に第15話「ククルス・ドアンの島」が映画化されたが、「時間よ、とまれ」がそれに続くことを期待するファンも多いのではないだろうか。

  1. 1
  2. 2