演じるキャラの“行く末がわかる”と言われる声優がいるのをご存知だろうか。演じたキャラがことごとく死亡したり、作中で黒幕キャラを演じる機会が多い彼ら。その結果、キャラの行く末を示唆するとして「フラグ声優」と呼ばれることもあるようだ。
今回は、そんなフラグ声優たちにまつわるエピソードを紹介していこう。
■演じるキャラが死亡する…!? 桑島法子
日本を代表する声優、桑島法子。デビュー後すぐに『機動戦艦ナデシコ』のヒロインに抜擢され、それからも数々の作品に出演し、実力派声優として名を馳せている。
そんな人気声優の桑島だが、実は彼女には、“演じたキャラが死亡する”「死亡フラグ声優」と呼ばれる一面があった。
桑島が「死亡フラグ声優」と呼ばれるようになったのは、『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』の影響が大きいと言われている。
彼女はシリーズ内で「フレイ・アルスター」「ナタル・バジルール」「ステラ・ルーシェ」「レイ・ザ・バレル(幼少期)」「ヴィア・ヒビキ」と、合計5名のキャラを演じたが、なんとそのうち4名が作中で死を遂げている。
「ヴィア・ヒビキ」にいたっては生死不明状態とはいえ、桑島が演じたキャラが死亡するかも?と憶測するファンが続出してしまうのも無理はないかもしれない。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズでは“死亡率ほぼ100%”を記録してしまった桑島だが、とはいえ、死亡していないキャラのほうが圧倒的に多いのも事実。
「死亡フラグ声優」のイメージがある彼女だが、それだけファンが注目し、演じるキャラが死んでほしくないと切望した結果、このような噂が立ったのかもしれない。
■一筋縄ではいかなさそうなキャラが多い…石田彰
“一筋縄ではいかなさそうなキャラ”を演じる声優として名前が挙がるのが、石田彰だ。
彼は『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲル、『NARUTO ーナルトー』の我愛羅、『鬼滅の刃』猗窩座などを演じたことでも知られているが、儚げで優しくミステリアスな声色が唯一無二の存在である声優だ。
石田は上記に挙げた渚カヲルをはじめ、只者ではない癖のあるキャラや謎多きキャラを演じることが多い。結果的にそれが(良くも悪くも)裏切りを見せるキャラであったり、ラスボスであったりと油断できないことも多いため、ファンは石田が演じるキャラを警戒しているという。
たとえば、『はたらく細胞』の作中、石田は“モブの細胞”を演じたことがあった。「モブキャラを石田が担当するなんて、なにかあるかも……?」とファンは考察していたようだが、実際にこのキャラはラスボスになる「がん細胞」だったから面白い。
石田が演じたからこそ、キャラの正体が“ラスボスかも?”と図らずも匂わせてしまったというこのエピソード。実に「フラグ声優」らしいではないだろうか。
しかし裏を返せば、それほど石田の声には魅力があり、作品において必ずと言っていいほど重要なキャラを演じてきた経歴があるからこそ、その正体が図らずもネタバレしてしまうという面白い結果を招いているのだと思う。