(2ページ目) 『SLAM DUNK』クールな流川が見せた“意外な子どもっぽい反抗シーン”「我関せず」「イヤダ」静かな意思表示が流川流!?

■先輩マネージャー・彩子の頼みもスルー

　宮城リョータが退院後はじめてバスケ部に復帰したとき、桜木と１ｏｎ１をしたことがある。まだ仲良くなるどころか、直前にケンカをしたばかりの二人。桜木が宮城の手をはたいてボールを奪うと、宮城が「この反則野郎‼」と体当たりして奪い返し、そのまま取っ組み合いの喧嘩になってしまった。

　まるでＫ－１の試合のような派手なケンカに思わず感心するチームメイトだったが、マネージャーの彩子に「感心してる場合か‼」「止めなさい‼」と叱られ、慌てて止めに入る。

　だが、流川だけは「我関せず」と指の上でボールを回しながら見物。彩子は流川にとって中学時代からの先輩なのだが、そんなことはいっさい関係なかったようで、自身のポリシーを貫いていた。

　山王工業高校との試合前半、“桜木を中心に攻める”という突拍子もない安西先生の作戦に、チームメイト全員が戸惑った。

「それはあまりにリスクが大きいのでは先生⁉」と、控えめに疑念を示す赤木にまぎれ、流川はやはり小声で「反対」とストレートに伝えている。

　そして「桜木君も今や湘北の武器の一つだよ」という安西先生の言葉に、赤木、三井、宮城が驚きと不安のまじった微妙な表情を見せるなか、流川はすでに聞くことすら放棄。どこから持ち出したのか、なんとイヤホンで音楽を聴きながら、指を鳴らして意気揚々とリズムをとっていた……。

　王者・山王との大一番のさなかでも、桜木イジリには余念がない流川であった。

　こうして振り返ってみると、やはり桜木に対してだけ、やけに子どもっぽくなる流川。普段のクールさとはほど遠いこのギャップが、彼の魅力の一つなのだろう。また、そこに“終生のライバル”・桜木との関係性が見えてくることにも、読者としては思わずニヤリとしてしまうところだ。