ガンダム作品の多くには、魅力的な女性キャラクターが多数登場する。彼女たちは作中、戦争という理不尽に翻弄されながらも男性キャラクターを支え、ときには叱咤する。たとえば、『機動戦士ガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」において、セイラ・マスが情けない行動をとるカイ・シデンに対し「それでも男ですか、軟弱者!」と叱咤し、ビンタしたシーンはあまりにも有名だ。
今回はそんなガンダム作品から、女性キャラの“心に響くお叱り名言”を紹介していく。
■アムロを改心させた…世話焼きガールフレンド「フラウ・ボゥ」のお叱り
まず紹介するのは、『機動戦士ガンダム』第9話「翔べ!ガンダム」より、フラウ・ボゥのセリフだ。
たび重なる戦闘と、民間人でありながら戦わなくてはならないジレンマに、ふて腐れてしまうアムロ・レイ。出撃命令を拒否するアムロに対し、ブライト・ノアは「今のままだったら貴様は虫ケラだ」と言い切る。
フラウは、そんなふて腐れたアムロに、「私ガンダムに乗るわ。自分のやったことに自信を持てない人なんて嫌いよ。今日までホワイトベースを守ってきたのは“俺だ”って言えないアムロなんて男じゃない」と、叱った。
ガールフレンドにここまで言われたアムロは、「悔しいけど…僕は男なんだな」と改心する様子を見せ、この後ガンダムに搭乗。ジオン公国のドップ相手に空中戦を見事やってのけた。
父親がガンダムの設計者ではあるものの、民間人であるアムロが、15歳という若さで戦争に巻き込まれて戦いを強いられてしまえば、ふて腐れるのも仕方がないかもしれない。
しかし、この第9話までの間に、アムロの活躍がホワイトベースを守ったことは事実である。フラウの言葉は、自身の努力をバネに次の行動に活かすことの大切さを教えてくれる名言だと思う。
■ホワイトベースの“お袋さん”「ミライ・ヤシマ」の優しきお叱り
続いて紹介するのは、『機動戦士ガンダム』第14話「時間よ、とまれ」よりミライ・ヤシマの言葉である。
ジオン公国軍クワラン曹長の破壊工作により、ガンダムは時限爆弾を仕掛けられた。
いつ爆発するかわからない時限爆弾を、1人で解除すると志願したアムロ。フラウは「なんでみんなで助けないんですか?一緒にやればもっと早く済むのに」と、涙ながらにブライトに訴えるも、「犠牲者を1人でも少なくするためにはアムロにやってもらう以外にはない」と却下される。
そして、制止しようとするミライに対しても、フラウは「ミライさん、あなただって……卑怯です……弱虫です」と吐き捨てた。これに対し「なんと言ってもいいわ。我慢するのも勇気なのよ。アムロと一緒にあなたまで犠牲にはできないわ」と、諭すように伝えたのだ。さすが、“ホワイトベースのお袋さん”である。
ホワイトベースのクルーたちは、単に死を恐れてアムロ1人に解除作業をさせているわけではない。誰しもが、仲間であるアムロを失いたくはないのだ。その証拠にガンダムの左腕を動かさなければ外せない箇所に爆弾が見つかるやいなや、クルーは総出でアムロを助けに向かっている。
ミライの言葉は、大局を見たときこそ冷静に最良の道を考えなければいけないということを教えてくれる心に響く名言だ。