■正攻法では撃破不可能!? 対MS近接戦で凶悪な強さを誇る

 1991年の映画『機動戦士ガンダムF91』に登場する巨大MA(モビルアーマー)ラフレシアにも、恐るべきサイコミュ兵器が搭載されている。それが「テンタクラーロッド」だ。

 ラフレシアはその名前から分かる通り巨大な花のような見た目をしたMAで、花びらに当たる花弁部が5つあり、花弁部の裏にはテンタクラーロッドが25基ずつ搭載されている。つまり、テンタクラーロッドの総計はなんと125基! 1つの機体に搭載されているサイコミュ兵器の数としては破格だ。

 テンタクラーロッドは、内蔵されたスラスターとネオ・サイコミュ・システムによる脳波コントロールでまるで生き物のように動く。ロッド部からは電撃攻撃も可能で、ラフレシアに接近戦を挑むMSを容赦なく叩き落とすのだ。

 さらにラフレシアは艦隊の一斉射撃と見間違うほどのビーム砲も備えているため、遠距離戦でも接近戦でも隙がない、敵に回すと恐ろしい凶悪なMAになっている。

 実際に作中でもビギナ・ギナとガンダムF91を完全に圧倒する活躍を見せたが、最終的にはF91が発生させた「MEPE」(金属剥離効果=Metal Peel-off Effect)と呼ばれる“質量のある残像”に翻弄され、敗北を喫することになってしまった。しかし、普通のMSであればなすすべもないほどの物量と性能のテンタクラーロッドは、悪夢のサイコミュ兵器と言えるだろう。

 選ばれた人間しか使えないという制約のあるサイコミュ兵器は、さすがにそれだけ優れた性能を持ち、作中でもそれをいかんなく発揮している。その中でも、今回紹介したテンタクラーロッドなどは、発想や性能がずば抜けている印象だ。しかし、兵器である以上は無敵というわけではなく、相性などもあってどれにも相応に弱点もある。サイコミュだからといって「なんでもアリ」というわけにはいかないのだ。だからこそ、「こんな強い兵器をどうやって打ち破るのか」という熱い展開を見せてくれる『ガンダム』シリーズの華のひとつとして、ファンを魅了するのかもしれない。

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