鬼頭明里
鬼頭明里
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 2020年に放送されたアニメ『虚構推理』のSeason2が、2023年1月8日より放送スタート。原作は『絶園のテンペスト』の城平京による小説で、妖怪や幽霊といった怪異たちの“知恵の神”となった大学生・岩永琴子と、不死身の身体とある能力を持つ恋人・桜川九郎を中心に繰り広げられる、恋愛×伝奇×ミステリだ。童顔可憐な外見を裏切る恋愛での押しの強さと、怪異たちのトラブルを論理で解決する知性を持つ岩永琴子を演じる鬼頭明里に話を聞いた。


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■前回での教訓を活かせたSeason2

――3年ぶりの『虚構推理』ですが、久しぶりに琴子を演じられていかがでしたか。

「久しぶりに演じる感は、あまりなかったです。今、3年ぶりと言われて、『もうそんなに経っていたんだ!』と思うくらい。なので『どんな声だったっけ?』と考えたりすることはありませんでしたね。琴子たちはいつも通りの感じでいてくれたので、すっと『虚構推理』の世界に入れました。1期の終わりは、琴子と九郎先輩がすごくいい感じで終わっていたので、次はどんなふうに始まるのかなと思っていましたが、いつも通りのケンカップルで(笑)。でも2期ではさらにバディ感が濃くなっていて、やっぱり『虚構推理』いいなと思いましたね」

――ご自身の中に琴子というキャラクターが、しっかり残っていたんですね。

「1クールだけでしたが他のどのアニメより喋ったので、もう染みついているんだと思います。でも2期は前回より登場人物も増えたので、分担してできたんですよ」

©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会
©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会

――1期は全12話のうち10話かけて長編「鋼人七瀬」が描かれましたが、今期は1~3話ほどの短編・中編が複数描かれていくんですよね。

「なので、私より他の方がたくさん喋るという回が結構多かったんです。そういうときに現場で『この台詞量は大変だね』なんてお話ししているのを聞いて、『あ、大変だと思ってたのは私だけじゃなかったんだ』って(笑)。先輩方もやっぱり苦労されるほどの作品なんだと思えました」

――『虚構推理』は、原作の城平先生が「長い台詞や説明の多い凝ったミステリを」と考えて生まれた作品ですから、台詞量はやはり膨大ですよね。「口周りの筋肉を鍛えて備えようと思います」とコメントされていましたが、アフレコ前に準備されていたことはありますか。

「でも先程もお話ししたように、2期は皆さんで分担してくださったので、ちょうどいいくらいの台詞量でした。琴子の推理シーンはたまに入ってくるくらいだったので。1期の最初の頃は、推理シーンの台本をめちゃくちゃチェックしていたんです。パッと見て読めるように、全部の漢字に読み仮名を振ったりしていたんですが、逆に読みにくくて(笑)。『あまり書き込まないほうがいいのでは?』と書き込まないようにしたら、徐々に読めるようになってきたんですが、その頃に1期の収録が終わってしまったんです。その教訓を踏まえて2期に入れたので、あまり苦戦せずにできましたし、以前より成長した姿で演じることができたのかなと思います」

©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会
©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会

■琴子役で大事なのは堂々としていること

――琴子は様々なトラブルを解決する優れた頭脳や、怪異にも動じない冷静さを持ちながらも、一目惚れした九郎を追い掛けて振り回すパワフルさもある、多面的なキャラクターです。鬼頭さんは彼女のどんな面を重視して演じていらっしゃいますか。

「やはり知的さを欠かさないことと、堂々としていることですね。彼女はいつも自分の考えや能力に自信を持っているので、まっすぐ、迷わずに芝居できたらいいなと思いながらやってます」

――時には迷いが出てしまうことも?

「でも琴子はまっすぐで葛藤することが少ない子なので、とても演じやすい子ではありました。なにしろ、あれだけ逃げられて否定されても『私は九郎先輩の彼女です!』って言い切るほどですから(笑)。だからやはり、堂々としていることが琴子を演じるにあたっては大事かなと思います。それにこの作品では“虚構の推理”を信じさせることが重要なので、説得力のある喋り方を心掛けたりしていました」

――トラブルに困っている怪異たちに真実を告げて解決するのではなく、“虚構”を真実として怪異たちに語って納得させるのが『虚構推理』ですから、確かに説得力というのは肝心ですね。

「話し方で印象が変わることを検証した動画を見たことがあるんですが、同じ内容のプレゼンでも話し方で全然印象が違うんですよ。ダラダラ話している人のプレゼンはあまり説得力がないのに、ハキハキして聞きやすいプレゼンには納得させる力がある。だから、琴子がそれこそ自信満々に嘘を言えば、嘘も本当になるのかなと思うので、堂々としていることが大事かなと思いますね」

©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会
©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理2製作委員会
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