映画『THE FIRST SLAM DUNK』が昨年12月3日の公開開始から好調を続け、公開1か月で興行収入67億円を突破した。原作は井上雄彦氏の漫画『SLAM DUNK』。当時は成功は難しいと言われていたバスケ漫画を『週刊少年ジャンプ』の連載で見事大ヒットさせた作品で、日本バスケットボール協会の統計によると、連載開始から連載終了までの6年間で、約20万人もの競技人口の増加に大きく貢献している。
このように『スラダン』が日本のバスケ界に与えた影響は大きく、この記事を読む読者の中にも、『スラダン』でバスケを始めたという人がいるかもしれない。改めて振り返ると1990年代は筆者の周りにも『スラダン』でバスケ部に入部し、そして『スラダン』に描かれていたことを真似していた生徒が多かったように思う。そこで今回は、『スラダン』に感化されて筆者もマネした「バスケ部あるある」をいくつか振り返りたい。
■ケガ防止のゲンかつぎ「新しいバッシュは部員で踏む」
バスケ部の誰もが一度はやったことがある行動が、新しいバスケットシューズを履いてきた部員がいたら「みんなで踏む」というゲンかつぎ。
この行動が描かれたのは、桜木花道が「エアジョーダン6」を購入した直後の練習エピソード。陵南高校との練習試合で体育館シューズを履きつぶしてしまった桜木は、生まれてはじめてバッシュを購入し、意気揚々と体育館に現れる。しかし湘北の部員たちによって、桜木はバッシュを踏まれてしまったのだった。その理由というのが、木暮が説明した「新しいバッシュはえてしてケガしやすい。だがこうしとけば大丈夫。ゲンかつぎだ」というもの。あえて踏まなかったという流川のセリフも、笑いを誘う掛け合いとして印象深いシーンだ。
わずか1ページに収まるエピソードではあるものの「ゲンかつぎ」という性質上、多くのバスケ部生徒がマネした行動ではないだろうか。実際、買ったばかりのバッシュは、生地が硬く感じる場合もあるため、理にかなっている部分もあるのかもしれない。