漫画やアニメには、「こんなのあり?」と思わされる部活がしばしば登場する。活動目的が謎なもの、何をやっているのかよくわからないもの、個人の気まぐれで作られたもの……など、現実的に考えればありえないとわかっていても、彼らが楽しそうに活動する姿に憧れた経験がある方も多いのではないだろうか。
今回はそんなヘンテコな部活のなかから3つをピックアップし、それぞれの魅力を紹介していく。あなたの憧れの部活についても思い浮かべながら、楽しく読んでいただければ幸いである。
■なにもかもが団長様のお気に召すまま!『涼宮ハルヒの憂鬱』SOS団
『涼宮ハルヒの憂鬱』は谷川流氏による小説「涼宮ハルヒシリーズ」を原作とするアニメ。平凡な男子高校生・キョンが“変人”と名高いクラスメイト・涼宮ハルヒに振り回されながら、愉快な仲間たちとともにさまざまな超常現象に立ち向かっていく姿が描かれる。ぱっと見は美少女が登場するラブコメのようだが、SF作品としての魅力にもあふれた不思議な作品だ。
物語はハルヒがキョンとともに「SOS団」――正式名称「世界(S)を大い(O)に盛り上げるための涼宮(S)ハルヒの団」を立ち上げたところから動き始める。団体名だけでは何を言っているかさっぱりだろうが、簡単にまとめれば団長であるハルヒ様の無茶ぶりを叶えるために作られた団体だ。もちろんそんな部活が学校に認められるわけがないので、非公式である。
コンピューター研究会とのゲームバトル、草野球大会への出場、ヘンテコ映画の制作など活動は多岐にわたる(?)が、そのほとんどがハルヒの思いつきによるもの。
しかしそんな騒がしい日常はかなり楽しそうで、見ていると少し羨ましくなってしまう。何もないときは部室でお茶して思い思いに過ごしているだけなのだが、それもまた良い時間だ。
ただし入団するにはハルヒのお眼鏡に叶わなければならないし、団員になってからもいいように使われることになる。いろいろな意味で覚悟が必要そうだ。
■こんな部活があっていいのか…『桜蘭高校ホスト部』ホスト部
葉鳥ビスコ氏の『桜蘭高校ホスト部』には、タイトルの通り「ホスト部」なる部活が登場する。金持ち学校・桜蘭学院高等部に通う特待生1年である主人公・藤岡ハルヒは、校内をさまよううち「ホスト部」にたどり着いてしまう。さらにちょっとしたトラブルから部に入ることになるものの、実はハルヒは女の子で……というストーリーだ。イケメンのなかに放り込まれた男装女子という、じつに夢のある設定が魅力のラブコメである。
ホスト部は南校舎にある第三音楽室にあり、日々“美麗男子が女子をもてなしうるおわす”活動をしている。ホストクラブと言われたとき、多くの人が漠然と抱くイメージを体現したような部活だ(もちろんアルコールは出さない)。さすがに接客料や指名料、飲食代は無料となっているが、よくこんな部活が認められたものである。
部には個性豊かなイケメンが揃っているうえ、それぞれが自分の魅力を存分に活かしてお客のニーズに応えてくれる。目の保養になるだけでなく心も潤うとは、最高の場所としか言いようがない。部員たちが繰り広げるドタバタな日常も楽しそうで、“ホスト部の犬”でも良いから1日くらい体験入部してみたいところだ。