■“ハロウィン”こそが宇宙の真理!?『チェンソーマン』コスモ

 2019年より藤本タツキ氏により『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている『チェンソーマン』にはアクの強いキャラクターたちが多数登場するが、とくに異彩を放つのが中国から来訪した刺客の一人である、“魔人”の女性・コスモだ。

 一部分が剥き出しになった脳味噌と、飛び出した右眼球…という、あまりにもインパクト大な見た目が特徴だが、さらに彼女は終始「ハロウィン!」としか喋らず、常にハイテンションに振舞うなんとも無秩序な存在だ。

 刺客として来日したにもかかわらず、単身で東京観光を満喫するなど、掴みどころがない行動で自由奔放に立ち振る舞っていたが、実はこの行動も彼女が持つ強大な“能力”に関係しているという。彼女の正体は”宇宙の魔人”と呼ばれる存在で、相手に「宇宙の情報を強制的に理解させる」という力を持つ。

 簡単に言えば、瞬時に相手の脳に膨大な“情報”を流し込むことにより思考を支配し、コスモ同様「ハロウィン!」としか喋れない姿に変えてしまうということ。一見するとギャグめいた能力に見えるが、一瞬で人間を思考不能な廃人に変えてしまう……と聞くと、その能力のえげつなさが分かるかもしれない。

 実際、モブキャラも数名、彼女と話したあと「ハロウィン」としか喋れない状態に変えられてしまった。はたして彼らは“宇宙の真理”に辿り着いてしまったのか……なんとも不穏な魅力を持った摩訶不思議なキャラクターである。

 

 強靭な肉体、卓越した技術、想像を超えた能力……ギャグキャラたちが秘めたポテンシャルは、ときに作中のパワーバランスを大きく狂わせかねない。

 普段はおちゃらけているように見える彼らが本気になった姿は、凄まじいインパクトで読者・視聴者の期待を、良い意味で裏切ってくれるだろう。

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