■実写版で小栗旬が演じた銀さんのモデルは…?『銀魂』坂田銀時

 空知英秋氏による『銀魂』はアニメ化だけでなく実写映画化もされ、主人公の“銀さん”こと坂田銀時は人気俳優の小栗旬によって演じられた。

 いつも死んだ魚のような目をして飄々としているのに、決めるときはバシッと決める。そんな銀時のキャラクター造形には、ドラマ『探偵物語』で松田優作が演じた工藤俊作やドラマ『ケイゾク』で渡部篤郎が演じた真山徹が影響を与えたという。

 両者のうち、とくに『ケイゾク』の真山から受けたインスピレーションは大きかったようだ。真山は普段気だるげでありながら、底にははかり知れない闇を抱えてもいて、その二面性が非常に魅力的な人物。ぶっきらぼうで面倒くさがりで、オカルト話が苦手で根はビビリといった細かい部分も銀時と共通している。

 空知氏自身、ORICON NEWSのインタビューにて、渡部篤郎が演じた真山の“だるい雰囲気”や“何を考えているかわからない怖さ”に憧れて、銀時を描き始めたと語っていた。

 そのほか『銀魂』本編でも、『ケイゾク』の名言が出てきたり、パロディらしき場面があったりと、筆者のように両作品のファンである人間にはたまらない部分も数多い。銀魂ファンはもちろん、『ケイゾク』ファンにも、ぜひチェックしてほしいドラマである。

 

 今回、実在のモデルがいるキャラを3名取り上げたが、偶然にもいずれのケースでも松田優作の名前が出てきて驚かされた。やはり鮮烈な印象を残す大スターが、同年代や後世を生きる人々に及ぼす影響は大きいということだろう。

 今後もさまざまなスターが登場し、彼らに影響を受けたキャラもどんどん生まれてくるはずだ。どんな魅力あふれる人物に出会えるのか、これからも楽しみである。

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