『北斗の拳』『ジョジョの奇妙な冒険』にも…鳴り物入りで登場しながら瞬殺されたバトル漫画の“噛ませ犬キャラ”3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

 バトル漫画といえば、さまざまな武術や能力を身につけた個性豊かな登場人物たちが魅力の一つだが、強者の風格たっぷりであるにもかかわらず、あまりにもあっさりと退場してしまった「噛ませ犬」とも呼ぶべきキャラクターたちが存在する。

 今回は強キャラと思いきや、いまいち実力を発揮しきれなかった無念なキャラクターたちについて紹介していこう。

■”南斗五車星”としてあまりにも潔い散り際…『北斗の拳』ヒューイ

 1983年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されたバトル漫画『北斗の拳』は、主人公・ケンシロウをはじめ、さまざまな拳法を身につけたキャラクターが登場し、荒廃した世紀末の世界を舞台に激闘を繰り広げた。

 数々の強者が登場する本作だが、物語中盤にケンシロウの前に姿を現す”南斗五車星”の一人・ヒューイは、読者の期待とは裏腹にあまりにもあっさり撃破されてしまったキャラクターである。

 ”南斗五車星”は南斗正統血統者を守るために結成された五人組で、宿敵・ラオウを撃破すべく先制攻撃を仕掛けたのが、通称「風のヒューイ」と呼ばれる男だ。

 “風”という二つ名が示すように、真空波を発生させる鋭い攻撃を得意としており、ラオウにもこの独自の技を武器に堂々と立ち向かう。

 五車星を象徴する刺青を見せつけての堂々とした名乗り、「風を友とする」という自信に満ちたセリフ……ただならぬ強者のオーラを漂わせた彼だが、満を持して放った一撃はラオウの肩を軽く切り裂いた程度で、まったくもってダメージを与えることはできなかった。

 ラオウにも「やわな拳」と揶揄された挙句、なんと拳の一撃で再起不能となってしまう。相手が作中屈指の強敵・ラオウとはいえ、わずか数ページで退場してしまったあまりにも不憫なキャラクターである。

■必殺技は不発だがその存在感からファンも多い!?『ジョジョの奇妙な冒険』ダイアー

 1986年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された『ジョジョの奇妙な冒険』にも、主人公を力強く牽引する数多くの強キャラが登場する。

 そんななか、第1部に登場したダイアーは登場時の雰囲気とは打って変わって、あまりにも無残な最期を遂げてしまったキャラクターだ。

 吸血鬼と”波紋”の力を用いて戦う主人公・ジョナサンの前に、ダイアーは波紋戦士の一人として援軍に駆けつける。当初はその素性を隠し、敵のふりをしてジョナサンの実力を確かめるなど、ただならぬ猛者としての風格を漂わせていた。

 ダイアーは最終的に劇中屈指の強敵・ディオと対峙。「稲妻十字空裂刃(サンダークロススプリットアタック)」と呼ばれるオリジナル技を繰り出し、仲間の一人・スピードワゴンにも「攻守において完璧だ!」と高い能力を期待されていた。

 しかし、ディオの身につけた「気化冷凍法」によって肉体を凍らされ、なんとそのまま粉々に砕かれ、死亡してしまう。波紋戦士としての経歴や独自に開発したオリジナル技によって放たれていた強者の風格も、巨凶・ディオにはまるで通じず、呆気なくリタイアとなってしまった。

 しかし、首だけになった状態で口で”薔薇”を飛ばし、ディオの目を潰すなど意外な功績も残している。加えてディオに放った「かかったなアホが!」などのインパクト大なセリフから知名度は高く、「噛ませ犬」でありながら思いがけない人気を獲得したキャラクターと言えるだろう。

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