『SLAM DUNK』宮城リョータの名言を振り返る! 勝ち気な男に魅せられた熱いセリフ4選の画像
『SLAM DUNK』Blu-ray Collection VOL.4(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))

 12月3日に劇場公開されたアニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』の勢いが止まらない。公開からわずか2日間で興行収入13億円に迫るロケットスタートを見せ、その後も3週連続でランキング1位を獲得。累計ですでに50億円以上を稼ぎ出す大ヒットを記録しているのだ(12月26日時点)。公開前には主要キャストの声優が旧テレビアニメ版から交代することでも話題となったが、フタを開けてみれば原作者の井上雄彦氏が自ら監督・脚本を務めた作品のクオリティが群を抜いていたことで観客の心をつかんだ。かつて湘北高校バスケットボール部の物語に胸を躍らせた多くの人々が、再び夢中になっている。

 またこれまで同作のあらすじについては伏せられていたが、12月23日には山王工業との試合風景が描かれ、宮城リョータのモノローグが吹き込まれた最新映像が公開。今回は、神奈川県NO.1ガードを目指すと公言する湘北の切り込み隊長、宮城リョータについて取り上げようと思う。

 初登場時こそ気だるさを感じさせる不良少年っぽく描かれていたが、バスケにはひたむきな情熱を持ち、味方を鼓舞しながらゲームメイクする情熱的な司令塔として湘北を支え続けた。そんな彼が見せてくれた数々の熱いセリフの中から、筆者が特にグッときた名言を紹介したい。

■「オレならいつでもブロックできると思ったかい?」

 まず最初に紹介するセリフは、インターハイに出場する最後の1枠をかけた神奈川県大会決勝リーグ、対陵南戦でのものだ。試合終盤に点差が広がり敗色濃厚となった陵南は逆転を期して、退場寸前の4ファールとなっていたためベンチに下がっていた魚住を再投入する。しかし、ここから反撃したいという陵南の思惑に待ったをかけたのが、リョータのプレーだった。

 陵南の攻撃が始まると、リョータは相手のパスをカットして出鼻をくじく。さらに、「走れっ!!」と桜木・流川に速攻を指示し、電光石火の勢いで敵陣に駆け上がる。対する陵南のディフェンスは、仙道1人しか残っていない。しかし、仙道は何度も1対3という圧倒的に不利な状況においてもシュートを防いできた選手だ。

 そんな仙道相手に、リョータが選んだのは流川・桜木へのパスではなく、自らゴール下に切り込んでのレイアップシュートだった。仙道だけでなく、観戦していた神奈川県NO.1プレイヤーとして名高い海南大附属の牧紳一さえも予想ができなかったこの選択で、見事にシュートを決め、さらに点差を広げることに成功する。

 そして、立ち尽くす仙道に向かって、「オレならいつでもブロックできると思ったかい?」という、実にリョータらしい一言を放ったのだ。

 絶対に試合の流れを奪われたくないという強い意志が垣間見えた選択と、自信がみなぎるセリフに、思わず胸が高鳴ったのは筆者だけではないだろう。

■「しっかりしろォ!! 流れは自分たちでもってくるもんだろがよ!!」

 このセリフは、インターハイ2回戦の山王工業戦で飛び出した。後半に入って20点もの大差をつけられ、崖っぷちに追い詰められた湘北。昨年の覇者である山王を前に、なかなか自分たちのバスケットボールをさせてもらえない湘北メンバーは、心身ともに疲弊して足が止まってしまう。

 ここで、悪い流れを断ち切るべく動いたのがリョータだった。相手のパスをカットして、さらに点差を広げられそうなピンチを防ぎ、味方に対して「しっかりしろォ!! 流れは自分たちでもってくるもんだろがよ!!」と一喝する。

 反撃の糸口さえ見えず気持ちが沈んでしまっていた湘北メンバーを鼓舞する、魂がこもった一言だった。これをコートサイドで聞いた牧も「宮城はPGとしてだいぶ成長したな…」と、まさしく「試合を作る」能力とその機を見るセンスに対して評価を高めていた。

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